表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/53

第12話 龍の巣に神がきた

昼食も朝食同様に野菜と肉のスープだった。


バリエーションがないから調理方法について今度教えてあげよう。


異世界の知識にはなるけど悪用しようがないからいいだろう。


昼食を食べ終えると、同じく昼食を食べに戻っていたオルフェが山からやってきた。


今度は大量の龍を引き連れてではなく一匹で来たようだ。


「またせたな。この後はどうする予定じゃ?何もないなら今度は高位魔法を教えるか?」


「高位魔法も覚えたいけど、まずはしばらく基礎魔法の練習をしたいかな。扱いなれてないでどんどん上を目指しても危険だし。それからこの後はカレンと今後どうしていくかについて話し合いたいなと思ってる」


「ふむ、堅実じゃな。今後についてはわしも相談に乗ってやろう。ほかの者に聞かれるとまずい話もあろう。わしの巣に行くぞ」


さらっと言ったけど、え?


巣ってあの遠くに見える山だよね?


「カレンよ、こっちにこい。怯えるな。何もせんから。ほれ、背中に乗れ」


オルフェは尻尾をこちらに向ける。


あ、尻尾からのぼれってことか。


カレンと顔を合わせたのち、覚悟を決めてオルフェの背中に乗った。


「行くぞ」


あ、待って。


心の準備があああぁぁあぁぁぁあ!!!!


一瞬で高層ビル最上階くらいの高さまで上がった。


玉がひゅんってなる。


背中もぞくぞくする。


さらに高さが上がり、あ、この光景見たことある。


インターネット地図の衛星写真そっくり。


はは。


あっはっはっは!


怖いですホント。


「ついたぞ」


え!?


気が付くと山の頂上にいた。


いつのまにやら時空魔法を使ったらしい。


山の頂上にはぽっかりと深い縦穴が開いており、その穴にゆっくりと入っていく。


途中いくつもの横穴があり穴にはところどころ龍が寝ていた。


これが龍の巣か。


一番底まで降りると一際大きな穴があり、そこがオルフェの部屋ということだった。


部屋といっても岩を掘っただけで家具とかがあるわけではなさそうだが、一軒の丸太小屋が隅に小さく建っていた。


俺とカレンがオルフェから降りる。


地面って素晴らしい。


カレンも怖かったのか降りると同時にへたりと座り込んだ。


「これがあの男の家じゃ」


オルフェは小屋を指さす。


ふと疑問に思う。


「あの家からこの手記って持ってきたんだよね?どうみてもオルフェは入れそうにないんだけど」


「ああ、それか。こうした」


小屋に近づきすっと屋根を持ち上げるオルフェ。


あ、そこ開くんですね、納得。


屋根をつけなおしたオルフェが穴の奥へ入っていく。


「さて、今後について話をしようではないか」


オルフェがそういうのと同時に、洞穴の壁面にあった松明に火がともり一気に明るくなる。


かっこいい演出だ。


松明の火は魔法でつけたのかな?


座り込んでいたカレンを連れてオルフェのところへ行く。


「まずは何を決めるのじゃ?」


「そうだな。まずは将来的な目標を決めたいと思ってる。マニャ王とマンス王の話ではもう元の世界に戻れないみたいだし、この世界で生きていく術を学びながら何をするのかを決めたいんだ。ざっくりとした質問だけどカレンさんは何をしたい?例えば世界中を見て回りたいとか、人領で仕事をしながら生活したいとかいろいろ考えられると思うんだけど」


「ええと、まだどうしたいとかは全く……」


そりゃ昨日異世界に来たばっかりだしね。


とは言え何も考えずにその日暮らししてるわけにもいかない。


「オルフェ。この世界にはどんな仕事があるのかわかる?」


「すまんが龍領以外の領の仕事は分からん。龍領での仕事は領地の守護と神領への定期連絡じゃ」


「神領への?」


「うぬ。神領にすむ神へ100年ごとくらいにそれまでに起きた問題なんかを報告しに行く。次の連絡はもう20年後くらいにお主たち異世界の者が召喚された報告になるじゃろう。そのほかにもわしら龍は世界の至るところに赴き大きな変化を記録しておる。わしらは寿命が長く知能が高いのでな。神より記録者としての仕事を承っているのじゃ。あの男もまたわしの手伝いで世界のいろいろを記録してその手記を書いておったな」


龍は神から記録者としての仕事を受けているのか。


それにリョウトの手記はオルフェとともに世界を巡ってた記録なんだな。


気軽に手記をもらったけど、大切にしよう。


俺は感慨深いなぁと思いながら表紙を開いてその偉大な手記を眺める。


そのとき気づいた。


あれ?


”1983年の1月の日本という場所から僕はこの世界に来た。”


そういえばこれが書かれたのって数千年前なんだよな?


「オルフェ、確認だけどこの世界に来てリョウトは寿命で亡くなったんだよね?」


「そうじゃな」


「確か3500年まえって言ってたよね?」


「うぬ。それくらいになる」


リョウトが来たのは1983年でこの世界では3500年前。


俺がこの世界に来たとき、元の世界は2018年の10月でリョウトがこの世界に来たという1983年の35年後だ。


普通に考えるならこっちの100年が向こうの1年ということか?


いや、時間軸が同じように流れているとは限らない。


そもそもカレンはすぐに召喚されてたから勝手に同じ場所から来たと思ってたが本当にそうなのか?


「カレンさん。カレンさんは何年何月から来ましたか?」


「え?2013年の4月です」


あれれーおかしいぞぉー。


「俺は2018年の10月です。カレンさんより5年後の世界から召喚されてますね。あれ?そうなるとカレンさんは俺より年上になるのか?」


どうやらこの世界と元居た世界の時間軸は同じではないようだ。


俺より後に召喚されたカレンが俺のいた元の世界の時間よりも後の時間ならともかく、5年も前の世界から召喚されていたとは。


これ、同じ世界とも言い切れない気がしてきたな。


日本という同じ国でも実は別世界とかの可能性もあるな。


いくつか質問をしてみる。


できる限り大きな事件や歴史的出来事についてカレンに質問してみたが、その内容は俺の知る内容と一致した。


「おそらくですがカレンさんとは時間軸は違えど同じ世界の人間みたいです」


「そうなんですか。私には何がなにやら」


俺にも何が何やらだけど、召喚はおそらく別世界から呼ぶだけでどの時代などは一切考慮されてないということだろうな。


となると召喚がまた起きた際には遥か未来からくる人とかもいるかもしれない。


逆に遠い過去からくる可能性もある。


いや、すでにそういった人が召喚されている可能性もあるな。


「オルフェ。俺やカレンさん、リョウト以外に召喚された人っている?」


「いるな。わしが知ってるだけでこの世界に召還されたのは8人じゃ。過去の争いの際に各領にて数名召喚されておる。今では全員死んでおるがな」


「死んでるっていうのは寿命で?」


「いや、ほとんどが戦争に巻き込まれてじゃ。まっとうに生きれたのはリョウトと後は獣領に一人だけじゃな。その一人もリョウトより先に死におったわ」


全員死んでるんじゃどの時期に来たかとかは確認できそうにないな。


それに死んだのももう数千年も前なら情報もないだろう。


今後どうするか決まらないうちはそういった人のことを調べてもいいかなと思ったけど、無理そうだな。


「記録者の仕事ってのは世界の記録以外にどんなことをするんだ?」


「ん?なんじゃセージ。おぬしも記録者になりたいのか?」


「いや、単なる興味本位なんだけど」


「そうか……まあよい。世界の記録以外に龍たちは特に何もしておらん。わしも王としての務め以外は寝るか食うかしかしておらん」


記録以外はほぼニートじゃねぇか。


まあほかにやることないのかもしれないけど。


「うーん。マニャ王やマンス王からどんな仕事があるのか聞いてみるかな」


「セージよ。仕事をしなくてもお前の面倒くらいわしが見てやれるぞ」


「ありがたいけど、何もしないで面倒だけ見てもらって余生過ごすってのももったいない気がするから何かしらやれることを探してみるよ」


ぶっちゃけ残りの人生ニートでも悪くはないんだけど、ゲームといった娯楽がない世界で何もせずぼーっと過ごすのはつらい。


ただ面倒見てもらい続けるのも悪いし、何かしら役に立つことをしたいと思う。


そういう性格なんだから仕方ない。


「悪い性格ではないけど損な性格だよねそれ」


突然背後から声がする。


振り返ると一人の男性が立っていた。


え?誰?


「お久しぶりオルフェ。それから初めましてセイジにカレン。僕の名前はユウジ。神領に住む神で君たちのいた遥か未来からきた日本人だよ」


「「え!?」」


突然自称神様を名乗る未来人がやってきた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ