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発達障害の長男と母としての私  作者: 遥彼方
私と長男の体験談
8/26

私という人間

前回は、私のかなり暗い部分を書きました。


何故書いたのか。

誰にも言っていない。見せてもいない。そんなものを。


このエッセイを書く上で、避けてはいけないと思ったんですよね。


なんというか、前回の話を見るまでの私の印象ってどんなでしたか?


とても前向きで、楽観的な感じでしょうか。他にも見ている方によって色々あるでしょうが、兎に角、あれも私です。

そして前回のような、どうしようもないドロドロと醜いのも私なのです。


そんな私が語っているんだということを、知って欲しかったんです。


私はとても小心者です。他人によく見られたい。好い人だと思われたい。だから常に他人に気を配り、その人のしてほしいことをしてあげようとします。

人の顔色を伺って生きております。


私は基本的に怒りません。怒るの嫌い。怒ると疲れます。そんなことをするくらいなら、誰かのために労力を使った方がよっぽどいい。我慢した方が楽。


ただし、たまにキレます。そういうときは、とても恐ろしいらしいです。自覚ないけど。


私は負けず嫌いです。一見物腰が柔らかく、怒りもしないけど、一度燃やしてしまえば闘志はメラメラです。ただし、外には出しません。内心でだけ燃える。


私は怠け者です。面倒くさがりやです。それを知っているので、常に動くことを意識しています。その為、他人は私のことを働き者だと誤解します。違うよ!


私は自分が嫌いでした。自分の意見がはっきり言えない自分が。鈍臭い自分が。ウジウジする自分が。顔色を伺う自分が。根性のない怠け者の自分が。他人と自分を比べて、優れているところを見つけてホッとするような小さな自分が。弱味をひた隠しにしたがる自分が。醜くて可愛くない自分が。


嫌いで嫌いで、これからの長い人生、この私という人間をやっていくのが嫌だった。自分で終わらせる勇気なんてないから、誰か終らせてくれないかなと、本気で考えていたこともあった。


どうしようもない奴ですね。


でも、過去形。


長男が産まれて、愛情を持てなかった時、何でだろうと自問してふと、思いました。自分を愛せない奴が、他人を愛せる訳がないんじゃないかな、と。


私は自分を愛する努力をしました。自分の欠点をひっくるめて、私は私でいいんだと思えるように。


これ、凄く難しい。

嫌な自分を自覚する度に、ちょっとくらいに目くじら立てるなよ、自分に寛大になってやれよと言い聞かせる。

怠け者の自分が嫌なら動こう。意見が言えないのが嫌なら、ちょっとでも言ってみよう。

出来なかったらまた今度。次は絶対。


全部が全部出来なくていい。ほんの少しだけ。

少しだけでも出来たら誉めてあげよう。人を誉めるみたいに、自分だって誉めてあげよう。


完璧を目指しては駄目です。何かを克服したら、新しい何かが現れるから。全てを完璧になんて無理だし、それは人間ではないと思うのです。


長所は短所で、短所は長所なのですから。


自分との戦いは永遠です。終わりがない。

全力だと疲れちゃう。

だから、ゆっくり、一歩ずつ。

一歩が駄目なら半歩、半歩が駄目なら一センチ、一ミリでもいい。一つも動けないなら気持ちだけでも前へ。それでいいじゃないか。


今でも嫌いな自分はいるけれど、嫌いな自分も許せるようになりました。流石に自分大好き!とは言えないけれど。


感謝します。私に自分を愛する切っ掛けをくれた長男に、息子たちに、こんな私を好きだと言ってくれる夫に。


このエッセイを見ておられるあなた、私はこんな奴です。


あなたは、あなたを愛せていますか?

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