~真実の愛と幻想の死~はち
(最終話)
(初恋と終恋)
「大丈夫?」
そう手を差し伸べたのは『高柳光希』だった
「えっ?う、うん大丈夫!」
川崎優美は照れながら手を伸ばした高柳光希の手を掴んだ
「ありがとう」
と照れながら言うとその言葉を合図に高柳光希は川崎優美の手を引っ張った
川崎優美は立ち上がり高柳光希に抱きついた
「大好き!」
14年前
「大丈夫?」
当時、3歳だった高柳光希と川崎優美の始めての出会いだった
転んだ。私を見る高柳光希はかっこよくて…転んだ私はただ惨めで恥ずかしさだけが残った
手をはらって逃げた。私には驚くことだった。『父親の知り合い』と言う名目で会わされたのはあの時に手を差し伸べた。『高柳光希』と言う男だった
「「えっ?!」」
と2人同時に驚いた
そして、川崎優美は高柳光希に好意を寄せ「好き」と言う言葉を言った
「僕も好きだよ」
と高柳光希は笑って言った
「大丈夫?」
手を引っ張った。後、ボーっとしてた。そんなことを思い出してた
「あっ!」
高柳光希がいきなり大きな声を出し皆は驚いた
「優美ちゃん?ごめん今、思い出した。優美ちゃんだよね?幼稚園の時の?」
川崎優美は笑顔になって叫んだ
「『ラブデッド』みんな、黙らして…そして跪け」
川崎優美が笑う。笑う顔が怖い
「えっと…」
近藤凛が言った途端に皆が跪いた
「ど、して…?」
「まだ、わからないみたいだから言ってあげるよ。私がこの『ラブデッド』の支配者なの…だから、なんだって命令して言うことを聞かせられる。だから、高柳光希あなたに命令『あなたが好きな高梨花奈を忘れ私を好きになる?』か『高梨花奈を忘れずに私を好きになる』かどっちがいい?」
みんな倒れ川崎優美と高柳光希だけが立っていて高柳光希は
「俺は…」
「時間切れ」
川崎優美は言葉を遮った
「高梨花奈なんか忘れ私と一緒になれば…」
『パチンッ』と指を鳴らすと周りは皆、消え広場ではなく家の中になっていて川崎優美は高柳光希に抱きついた
「高君…違う、光希君、大好き愛してる」
照れた顔を隠しながら抱きついたが高柳光希は呆然として言った
「誰…?」
「何、言っ…」
私に言われた言葉ではないことに気がつき後ろを振り向く前に刺された
「だ、れだ…誰だ…」
後ろに居た女の影に言った
『あなたの想像はとてもつまらない』
と言われた気がした