序 虹の見守る世界で
君が生まれた時、空には大きな虹がかかっていたんだ。
そうだよ。虹は全ての『ひと』が七色で呼び表すんだ。言葉も、文化も違うのにね。
それは虹が、世界の意思でもある大いなるもの--神さまの一端だからなんだよ。神さまは七柱存在しているんだ。『七色の神』と呼ばれているのがそうだよ。
『赤の神』は戦の神だ。調停と裁きの神でもある。困ったことがあったら、ここの神殿を頼ると良い。
『橙の神』は豊穣神。うん。たくさん作物が育ちますようにって……一緒にお祭りも行ったね。
『黄の神』は学問と支配者の神。ここの神殿は、勉強するためにたくさんのひとが集まっているんだよ。君も、頭が良いから、そこで学ぶのも良いかもしれないね。
『緑の神』のもとには、旅人が集まる。そうだよ、世界は凄く広いんだ。君が見たこともない、たくさんのもので溢れているんだよ。
『青の神』商業の神。君は大人になったら、どんな仕事に就くのかな。
『藍の神』死と生を司る神。病や薬の研究もしているんだ。病気には魔法は効かないからね。よく気をつけるんだよ。
『紫の神』 神々の統率者にして、創造と破壊。そして再生を司る神なんだよ。
虹は、神さまが地上を見守っているときにかかるんだ。
君は、神さまに見守られながら生まれてきたんだよ。
だから、大丈夫。
君は幸せになれるはずなんだから。幸せになって良いんだから。
大丈夫だよ。
ほら、虹が出てる。
君は運命に護られている。
どうか、どうか。幸せに。
ぼくも、これからは、虹の向こうで見守っているから。
長編予定のファンタジーとなります。
見切り発車の感はありますが、構想の終着点まで書き上げれられるように、努力して参る所存にございます。
是非、お付き合い頂ければ幸いと存じます。