花開く文字
結月はノートをめくり、全てを言い表す言葉を探した。見つからなかったが、忘れられたページにこう書いてあった。「この物語にタイトルはいらない。なぜなら、それはすでにそれを感じた人の心の中に生きているから」。春樹は結月を抱きしめ、颯太は二人の間に腰を下ろし、そして彼女はこう書き記した。「もし誰かがこの物語のタイトルを尋ねたら…あなたが覚えているタイトルだと答えて」。
夜明け、彼女は第七巻からずっと一緒にいた木に一枚の葉を残した。「失いたくない言葉を一つ一つ握りしめてくれてありがとう」。春樹はその葉の横に花を添え、颯太は一度吠えた。すると空が開き、「さあ、続けなさい」と言っているかのようだった。
その後、差出人のない手紙が届いた。言葉ではなく沈黙を求めるもの、返事をせずに記憶にとどめてほしいという手紙。颯太は無傷の封筒を救い出し、そこには「すべてが明らかだったのに、説明しなくてよかった」という一文が書かれていた。柚月とレンは、日付ではなく、手紙が呼び起こすものによって分類した。目を閉じ、微笑み、まだ生まれていない誰かが書いた手紙だと感じていた。木の祭壇に、柚月は白紙を置いた。彼女は文字を書かず、紙に呼吸をさせた。レンは彼女に付き添い、颯太は沈黙の守護者となり、春樹はラベンダーティーを差し出した。彼らは、すでに直接話された手紙にはインクが必要ないことを理解し、それを理解した。
ついに、木は手紙という葉で花を咲かせた。柚月は「この季節に名前はいらない。すでに私たちのものだと知っている」と読んだ。春樹は思い出のために写真を撮り、レンは葉っぱをポケットに入れ、颯太は鈴で時間を計った。柚月は「読まれない手紙もある。呼吸されるものだ」と書いた。
このエピソードは、音楽や言語のように、手紙は失われないという確信で最高潮に達する。手紙は、受け取った人の心に残る季節、香り、そして風景へと変化していく。
この美しい物語の終わりが近づいています。




