表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
始まりの木と言葉が咲く場所  作者: Takara yume


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

54/60

沈黙もまた歌う

柚月は音楽ノートに、書きかけのページを残した。彼女はそれを終わらせたくなかった。「この歌は終わりたくない。まだその歌を必要としているのに気づいていない人たちの心に、この歌は響き続けたいのだ。」


鐘楼で、彼らはエコーが繰り返すのではなく、反応していることに気づいた。それぞれの音は、まるで空気そのものが作曲しようとしているかのように、違った形で返ってきた。宿屋では、蓄音機がゆっくりと音を鳴らし、長い休止を挟んで、彼らがまだ耳にしていないうちに、彼らの存在を認識しているようだった。

料理をしながら歌っているうちに、彼らはそれが音楽ではなく、記憶であることを悟った。柚月はこう記した。「この歌は静かな午後から生まれた。でも、それは私が忘れたくなかったすべての瞬間からできている。」


ある夜、彼らは歌わなかったが、お茶を淹れ、毛布を畳み、共に呼吸する中で、音楽は続いていった。柚月はこう記した。「沈黙が私に歌いかける。そして私は、それがコーラスの一部でもあると知っているから、耳を傾ける。」


夜明け、柚月は木の下に座った。彼女は歌わず、ただ耳を澄ませていた。丘の上で子供が鼻歌を歌い、鳥が空を渡る。春樹は彼女の隣に座り、颯太は彼女の膝に頭を乗せた。彼女はこう綴った。「聴くことは愛でもある。そして今朝…世界は私のために演奏することに決めた。」


このエピソードは、音楽は終わらないという確信で最高潮に達する。それは静寂へと、聴くことへと、そして共有された記憶へと変化するのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ