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まだ形になっていない約束
忘れるか、思い出すか、それとも前に進むか!
空の色は、新たな色を使わずに変化した。ただ、その瞬間を記念しているだけだった。
春樹は柚木の隣を、まだ韻を踏んでいない二つの詩のように歩いた。颯太は風に意図的に消された足跡を残しながら、小走りで後ろをついた。
二人はどこの家でもない扉に辿り着いた。それは小道の真ん中に立っていた。高く、頑丈で、鍵がかかっていなかった。
「この扉をくぐったら」春樹は言った。「何か忘れてしまうかもしれない」
柚木はノートのことを考えた。
彼女はその名前を考えた。
彼女はまだ理解できない表情を思い浮かべた。
もし他のことを覚えていたら?
春樹は木に触れた。
そうすれば、それは約束になる。
柚木が先にくぐった。
扉は動かなかった。
しかし、颯太はまるで古い歌を聞いたかのように、その扉を見つめた。




