秋が低い声で書いた
葉は意図的に散り始めた。摩耗によるものではなく、表情によるものだった。一枚一枚が物語を語っているようだった。颯太は葉を踏みつけないように、葉の間を歩いた。春樹は一番金色の葉を集め、蓋のない木箱にしまった。
柚月は一番曲がった木の下に座った。ノートを開いた。ため息をつきながら、こう書き記した。
「秋は奪い去るために来るのではない。すでに去ろうとしているものを思い出させるために来る。」
一枚の葉がページの上に落ちた。彼女はそれを動かさなかった。それはそのまま残った。まるでそこに署名したいかのように。
春樹が近づいた。
この章は、誰にも頼まれずに書かれた。
颯太は木の根の間に横たわった。
そして風が吹き抜けた。
数時間後、予想外の暖かさが戻ってきた。不快ではない。ドアを閉める時間だと思った時に感じるあの抱擁のように。
柚月と春樹はリュックを背負わずに歩いた。颯太はまるで一歩一歩が記憶を積み重ねていくことを知っているかのように、楽しそうに小走りした。
「もしこれがすぐに終わってしまったら?」柚月は尋ねた。
春樹は思った。
その時、私たちはそれを、私たちのものではなかったけれど、私たちを選んだもののように覚えているだろう。
柚月はこう書いた。
「カレンダーにはなかった季節が、私にも移り変わりの時だと告げに来た。」
太陽は長い影で応えた。
そして日は急いで去ろうとはしなかった。
雨は降らなかった。
しかし空気は水を保っていた。まるで涙が落ちる前に宙吊りにされたかのように。
柚月は池のそばでノートを取り出した。春樹は見えない魚たちにパンくずを落とした。颯太は理解しようともせずに水を見つめていた。
柚月はこう書いた。
「今日は雨が降らなかった。でも、まるで空の何かが優雅に泣きたがっているかのように感じる。」
池は動かなかった。
でも、聞いているようだった。
その夜、空は変わった。色ではなく、意図が。
星は明るく輝いていなかった。
でも、より近くに感じられた。
柚月は曲がった木へと歩いた。颯太は彼女の後を追った。春樹はもうそこにいた。肩に毛布をかけ、指の間に一枚の葉っぱを挟んで。
彼女は何も尋ねなかった。
彼女は何も言わなかった。
彼女はただこう書いた。
「季節は目で見るものではなく、感じるもの。
そして、季節が心地よく感じられた時…季節は役目を終えたのだ。」
木は葉を一枚落とした。
そしてノートはそれを触ることなく拾い上げた。
彼らが目を覚ますと、地面は暖かかった。鳥はさえずらず、風も彼らを煩わせなかった。
柚希は裸足で歩いていた。春樹はリュックを背負っていなかった。颯太は慌てることなく。
「もう新しい季節になったの?」と彼女は尋ねた。
「そうかもしれない。それとも、私たちが先に変わったのかもしれない。」と彼は答えた。
彼女はノートを開いた。
「それなら、月は関係ない。」
春樹はうなずいた。
「大切なのは、心がそれを受け入れる準備ができているかどうかだ。」
そして彼らはこう書きました。
「私たちは天気の傍観者ではありません。私たちは天気の物語の一部なのです。」




