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始まりの木と言葉が咲く場所  作者: Takara yume


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39/60

何も約束せずに癒されるフレーズ

その夜、暖炉のそばで、春樹は自分のノートを一ページ開いた。何度も読み返されたかのように、インクは擦り切れていた。


そこにはこう書かれていた。


「彼女は、自分がどう見えるかという選択を超えて存在する。それで十分だ。」


柚木はそれが誰宛てなのか尋ねなかった。


それは、彼に変化を求めることもなく、彼に印をつけた誰か宛てだと、彼は知っていた。


春樹は再びノートを閉じた。颯太は彼の脚に鼻先を乗せた。


そして数秒間、何も言わずに済んだ…彼は避けられていると感じることなく、安らぎを感じた。


柚木はノートを森へ持っていった。


ノートを埋めるためではない。


森がそれを読むように。


彼女は根っこに腰を下ろした。


彼女はこう書いていた。


「大丈夫でいたい。でも、急いではいない。ただ、痛みだけが物語でないことを願う。」


春樹は遠くから彼女を見ていた。


颯太は落ち葉を鼻でつついた。


蝶が宙を舞った。


柚木は鉛筆を置いた。


なぜなら、その時、彼女が感じたことは…


すでに風に記されていたからだ。


二人は昔の言葉を改めて読み返した。


一つはこう言った。


「もしいつか私があなたを思い出せなくなったら、私があなたをどう呼んだかではなく、私が世界をどのように見ていたかを思い出してください。」


柚木は恐怖を感じていた時に書いた。今日は違った響きだった。


「今でもそうなのか?」春樹は尋ねた。


「ああ。でも今は悲しみが薄れ、優しさが増している。」


颯太は吠えた。


こだまは暖かいそよ風となって戻ってきた。


ノートはひとりでに閉じた。


まるで、言うべきことをすでに言ったかのように。


川に向かって、柚木はノートを石の上に置いた。


水面に映る水面が紙と混ざり合った。


水面では、言葉が踊っていた。判読はできなかったが、感じ取ることができた。


春樹は彼女の隣に座った。

「何が見える?」まだ声に出したことのない、自分の姿。


気に入った?


わからない。でも、もっと知りたい。


颯太は川を渡った。


そして渡った時…

彼は、もはや留まる必要のない考えを、どこかへ連れ去っていくようだった。


二人は一緒に、最も難しい文章を読んだ。


涙の合間、長い夜の合間、穏やかな疑念の合間に書かれた文章。


でも、今回読んでみて…

それは痛みを伴わなかった。


ただ慰めを与えてくれた。


春樹は言った。


傷に書かれた言葉は、時に抱擁となる。


結月は破れたページに触れた。


だから、このノートは泣くことだけを知っているわけではない。


抱きしめることも知っているのだ。


颯太は文章の上に横たわった。


そして、彼はそれらを傷つけなかった。


彼はそれらを守った。


柚月はこう書いていた。


「これを消したくない。完璧だからじゃない。でも、これが現実だったから。」


春樹はページの間に乾いた葉を挟んだ。


颯太は長い間ノートを見つめていた。


まるで彼らの言葉を学んでいるかのように。


午後は穏やかになっていった。


光が自然と差し込んできた。


そして、計画されていたすべてのことが…

三人よりも大きな何かの一部となった。


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