道が自らのペースを選ぶ場所
出発はゆっくりとした。困難だったからではない。大切なことだったからだ。
すべての石が別れを告げているようだった。
すべての花が頭を下げた。
すべての影が、まるでそっと彼らを止めようとするかのように伸びていった。
颯太は先を歩いた。夕月の隣には春樹がいた。ノートは新しいリボンで結ばれていた。それは、何の要求もせず約束を続ける日々のような緑色だった。
「こんな風に、私たちを待っている場所が他にもあると思う?」夕月は尋ねた。
同じ声ではなかった。しかし、別の呼び方で。
道は分かれていた。
彼らは広い道を選ばなかった。
彼らは、ここまで来た道のりを思い出させてくれる道を選んだ。
そして空は…何も言わずに彼らに付き添った。
丘の頂上、次の村へ下る手前で、彼らは立ち止まった。
夕月はすべてのノートを取り出した。
自分のノート。
借りたノート。
まだ理解できないノート。
春樹は墨を取り出した。
そして二人は最後の紙にこう書き記した。
「この村は僕たちを良くしてくれたわけではない。僕たちがすでにどうあるべきかを知っていたことを思い出させてくれたんだ。」
宗太は吠えた。
一度だけ。
まるで「はい」と言っているかのように。
そして二人は降りていった。
急ぐことなく。
まるで大切なものを携えているかのように…
でも、輝かせるためには、見せびらかす必要がある。




