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始まりの木と言葉が咲く場所  作者: Takara yume


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28/60

以前誰かが彼らを待っていたらしい場所。

寺の裏から続く狭い路地に、若い男が古い自転車の横に立っていた。服装もいつもと変わらない。笑顔もなかった。しかし、その姿勢のどこかが、まるでこの場所にいるかのように感じさせた。


柚月は初めて会ったにもかかわらず、彼に見覚えがあった。


「この村を知っているの?」と彼女は尋ねた。


「知っているべき以上には知っているけど、知りたいほどではないわ。」


春樹が近づいた。颯太は吠えもせずに座った。


若い男はゆっくりと自己紹介した。


「僕の名前はカイト。この自転車は僕のものではないけれど、今でも乗っている。幸せな思い出を思い出すから。」


柚月は微笑んだ。


カイトは彼女を見た。


「君は文章を書くんだね?」


「時々ね」と彼女は答えた。「言葉がわからない時。」


彼はハンドルを指差した。 「そこに古いノートがある。君のものだと思う。君の存在を知る前に見つけたんだけど。」

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