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始まりの木と言葉が咲く場所  作者: Takara yume


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27/27

睡眠は休憩ではなく会話だった

夜は急なこともなく訪れた。


柚月は何も考えずに横たわった。颯太は彼女の足元にいた。春樹は隣の部屋にいたが、すぐ近くにいた。


天井が語りかけた。


言葉ではなく。


まるで夢の一部になりたいかのように、きしむ音で。


柚月は初日のホームに戻ってきた夢を見た。


しかし、それは同じではなかった。


今回は、誰かが彼女を待っていた。


颯太ではない。春樹でもない。


ノートを手に、言葉のない歌を瞳に宿した誰か。


彼らは近づいてきた。


そして、彼女の名前を呼んだ…


忘れてしまいそうになったその時…


村はゆっくりと目覚めた。空は慌てず、屋根は微動だにせず、挨拶を囁くように聞こえた。颯太はすでに立ち上がり、今日がただの日ではないと知っているかのように、ゆっくりと廊下を歩いていた。


ユズキは赤いリボンをかろうじて結んだノートを抱え、階下へ降りていった。ハルキは敷居の脇で彼女を待っていた。太陽はなかなか地平線に沈まないようだった。


「今日は誰かが君のことを覚えているだろう」と彼は言った。


「誰だ?」


「君はまだ知らないだろう。だが、彼らはもう君のことを覚えている。」


宿屋の主人は二人に古い封筒を手渡した。名前も日付もなかった。


中には、黄ばんだ紙切れが1枚入っていた。


「名前は叫ばれない。魂が恐れることなく応えるまで、ささやき合うのだ。」


ユズキはそれをノートにしまった。ポケットではなく、書かれていない章の中に。


ソウタは吠えた。


一度だけ。


そして、村の別の場所で、誰かが顔を向けた…


理由は分からずに。

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