1ページに2人が収まる場所
春樹は乾いた噴水のそばにある、ぽつんと空いているベンチを見つけた。彼はそこに座った。結月も座った。颯太は二人の足元に立っていた。
二人はノートを取り出した。黙って書き始めた。
そして書き終えると、一言も発することなくノートを交換した。
言葉は合わなかった。しかし、気持ちは一致していた。
柚木は読んだ。
「もし私のことをどう思い出せばいいか分からなくなったら、名前を言う前に深呼吸を。そうすれば、混乱させることなく私が現れるかもしれない。」
春樹は読んだ。
「時々、ずっとここにいたいと思う。でも、離れるのが怖いからじゃない。続けたいという気持ちから。」
颯太は立ち上がった。遠くの木に向かって歩いた。その木の下に、何かが埋められていた。
箱だ。
彼らはそれを開けた。
中には破れた写真、鍵のかかっていない鍵、そして顔のない三人の人物の絵が入っていた。
そしてその下に、日付のないメモがあった。
「あなたを覚えていないわけじゃない。ただ、あなたを忘れたことがなかっただけ。」
柚木は目を閉じた。
春樹は彼女の手を握った。
宗太は初めて尻尾を振りました。




