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未知なる世界の歩き方  作者: リース
4章 海底都市アトラント編
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第74話 VSリバイアサン2

渾身の水魔法を放ったアクア。


その攻撃はリバイアサンに確かに命中するものの、それでもリバイアサンは倒れなかった。


「今のはだいぶ痛かったで。でも、おかげでエルフの嬢ちゃんの鎖が外れたわ」


リバイアサンの目がリーナを捉える。


「その光魔法、厄介やな。まずは、お嬢ちゃんから仕留めさせてもらうわ」


リバイアサンがリーナを攻撃対象に定めたようだ。


「オーシャン・ストリーム!!!」


再び水の波動が一直線にリーナに向かって襲い掛かる。


「ウォーター・シールド!!!」


それを再びアクアが防ぐ。


「はぁ……はぁ……諦めなさい!アンタの魔法も通用しないし、あたしたちの勝ちよ!」


「ほんまか?ウチには随分しんどいように見えるがな」


「……!」


確かに、先ほどからリバイアサンが繰り出す水魔法を何度も相殺し続けたことで、アクアはもう限界近かった。


「アクア、無理しないで!」


リーナが焦った表情で叫ぶ。


しかし


ゴゴゴゴゴゴ……!


「――また来る!」


リバイアサンの巨体が再び大きく身をよじり、魔力を集中させる。


(やっぱり海中では、こっちの方が圧倒的に不利。

アクアの限界が来る前に、なんとかリバイアサンを倒さないと……その為には……!)


リーナが強く目を閉じる。


杖の先端に光が集中する。


「またけったいな魔法を使う気やな?オーシャン・ストリーム!!」


リバイアサンが再び魔力を込め、特大の魔法を放つ。


「――!!」


「リーナ!!」


「くっ!ウォーターシールド!」


アクアが歯を食いしばりながら、水の盾を出す。


「ぐうううううっ!!」


必死に魔力を込めるアクア。


しかし、水の濁流は止まらず、次第に盾にヒビが入り始める。


そして


パリィィン


盾が無残にも砕け散る。


(それでも、リーナだけは守り切る!!)


アクアは両腕を広げ、身を挺してリーナを守る。


水の濁流がアクアに直撃する。


ドバァァァァァァッ!!


「……!!」


「アクア!!」


ミサキが叫ぶ。


リーナの目が見開かれる。


アクアの身体が弾かれ、ふわりと水中に漂う。


「アクア!!」


アクアは意識を失い、ゆっくりと沈んでいく――


「アクア……!!」


その瞬間――


「防がれたか、なら、これならどうや!……!!」


リバイアサンが突撃してくる。


(このままじゃマズイ……!だが、どうすれば!)


ミサキは考える。


海中では自分の炎の魔法は使えない。


そんなんじゃ、リバイアサンの攻撃は防げない。


でも……一瞬だけなら?


ミサキは剣を構え、深呼吸する。


(炎をずっと纏わせるんじゃない……当たる瞬間だけ!)


「叩き潰したるわ!」


リバイアサンはその大きな尻尾をリーナに叩きつけようとする。


「させるか!」


ミサキの瞳が鋭く光り、剣を振り下ろす。


「ハッ!嬢ちゃんの攻撃は効かん!忘れたか!」


ミサキの剣がリバイアサンの尻尾に触れた、その瞬間――


ドォォォォォォン!!!


剣が当たった瞬間、一気に魔力を開放。


水中にもかかわらず、爆発が発生した。


リバイアサンの巨体が大きく揺れる。


「うおおおおっ……!?何や今の攻撃……!!」


水流を震わせながら、リバイアサンが驚愕する。


その鱗には、今までで最も深い傷が刻まれていた。


「ははっ、やった……!新必殺技、エクスプロード・カリバーとでも名付けようか」


リバイアサンがふらつく中、それは完成した。


「準備完了、行きます!!」


リーナの体が光に包まれる。


「――裁きの光よ!!」


リーナの杖が、今までにない輝きを放つ。


リバイアサンの目が見開かれる。


「あ、アカン!!」


「ホーリー・ジャッジメント!!」


ズガァァァァァァァァン!!


巨大な光の濁流がリバイアサンの上から放たれ、リバイアサンの体に直撃する。


全身が光に包まれ、強烈な爆風が海中に広がる。


「グオォォォォォォォ!!!」


リバイアサンが苦しみながらのたうち回る。


光が収まり、リバイアサンが海底に崩れ落ちる。


「……はぁ……はぁ……!」


リーナは荒い息を吐きながら杖を下ろした。


リバイアサンはしばらく唸り声を上げていたが、やがて沈黙し、気絶した。


「や、やった、勝った!」


両腕を上げて喜ぶミサキとリーナ。


「そうだ!アクア!!!」


アクアに泳ぎ寄るミサキとリーナ。


しばらくして、アクアがゆっくりと目を開けた。


「……ハッ!ここは!?勝負はどうなったの!?」


「無事に勝ちましたよ!もう、本当に無茶しすぎなんですから!」


リーナは心配そうに怒る。


ミサキは笑いながら、アクアの手を握り締めた。


すると


「あちゃあ……ウチ、気絶しとったんか……」


「なっ!?もう起きたのか!?」


リバイアサンが目を覚まし、ゆっくりと身体を持ち上げる。


ミサキ達は武器を構え、応戦体制を取る。


「そう殺気立つなや、アンタらの勝ちや」


「えっ?」


「もうこれ以上戦ったら、ウチの体がもたんわ……」


ミサキは剣を構えたまま、警戒を解かない。


「ほら、目的はウチの鱗やったんやろ?」


リバイアサンは、自らの鱗の一部を剥ぎ取り、ミサキたちに差し出した。


「正直ここまでやるとは思わんかったわ。

黒髪の、まさか水の中であんな炎魔法を使えるとは思わんかったで。

エルフ、アンタの光魔法はもう食らいたくないで。

人魚の、ウチの水魔法をことごとく防ぐなんて、いい根性しとるわ。

……いいチームやな、アンタら」


ミサキはリバイアサンから鱗を受け取った。


「ありがとう……リバイアサン」


こうして、激闘の末、ミサキたちは海龍の鱗を手に入れたのだった。

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