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未知なる世界の歩き方  作者: リース
2章 地下帝国パンデラ編
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第38話 地下帝国パンデラ4

「お腹すきましたー!」


リーナの元気な声が響く。


「私も腹減ったな……どこで食べる?」


この街には様々なレストランがある。


焼きたてパンを扱う店や、パスタを扱う店、フィッシュ&チップスの専門店など、様々だ。


「じゃあ私、ミサキさんが働いてる所のレストランに行きたいです!」


リーナの希望で、ミサキが仕事をしているレストランに入ることにした。


「ここに客として来るのは初めてだな」


「ここがミサキさんが働いてるお店なんですね……!」


リーナはキョロキョロと店の中を見回す。


「いらっしゃいませ……あらミサキさん、今日はお食事ですか?」


「ええ、友人と食事に来ました」


店員の魔族が笑顔で迎えてくれる。


「わかりました。こちらへどうぞ」


二人は席に案内されると、メニューを開く。


「ミサキさん、ここのお勧めって何ですか?」


「ここは『絶品ハンバーガー』がお勧めだって」


「じゃあそれにします!飲み物はハニーレモンで!」


「じゃあ私は……『チキンフィレバーガー』とコーヒーで」


「かしこまりました」


しばらく待つと、料理が運ばれてきた。


「お待たせしました。こちらが『絶品ハンバーガー』と『チキンフィレバーガー』です」


チキンフィレバーガーは、カリッと黄金色に揚がった大きな鶏肉がバンズからはみ出るようにサンドされ、香ばしい匂いと共に運ばれてきた。


ミサキはさっそく手に取り、大きくかぶりついた。


「……ん、これ、美味いな」


チキンフィレの衣はとてもザクザクしていた。


肉はスパイスが効いててジューシー、旨みがギュッと詰まっている。


バンズは外はサクッと、中はふんわりとした食感で、完璧なバランスだ。


「ん~美味しい~!」


リーナも絶品ハンバーガーを美味しそうに頬張る。


二人は美味しい食事で元気をチャージしていくのだった。


「いい所ですね、このレストラン」


「ああ、本当にそう思う」


こうして二人は再度パンデラを探索するのだった。


***


「次はどこに行きます?」


ミサキとリーナは、魔族の街で食事を済ませた後、次に向かう場所を相談していた。


すると、ふと魔導雑貨店「マギア・コレクト」と言う店を見つける。


「そうだ、魔導雑貨店に行きたいな」


「魔導雑貨店ですか?何か買う物でもあるんですか?」


「ちょっと、ね」


二人が店の中に入ると、そこには魔導具が所狭しと並べられていた。


「相変わらず凄いですね……!」


リーナの目が輝く。


自宅の家具を揃える際に魔導雑貨店には何度か来たが、それでも魔族の魔導具には毎度ワクワクさせられた。


座ったらマッサージをしてくれるソファ、自動で掃除をしてくれる円盤型の魔導具、使い切っても魔力を注げばまた使える魔石、コントローラー式の魔導おもちゃ、などなど、興味深い魔導具が沢山置いてあった。


「それで、何を買いに来たんですか?」


「それはだな……あ、あったあった」


ミサキはガラスケースの中の薄い板状の魔導具を見つけた。


「これは何なんでしょう?」


「これはスマホだよ」


「すまほ?」


「いや、こっちではマナホって言うのか」


それは小型の魔導具「マナタブレットフォン」通称「マナホ」だった。


「ここに来てこれを見た時、是非とも欲しいと思ってたんだ……!」


「そうなんですか。一体どんな道具なんですか?」


「それは、使ってからのお楽しみって事で」


マナホを購入したミサキとリーナはベンチに座り、さっそくマナホを試してみることにした。


「じゃあ、スイッチを入れてみようか」


「どうやって入れるんですか?」


「その側面のボタンを押すんだよ」


「こうですか?」


リーナはマナホの側面にある小さなボタンを押した。


すると、画面が明るく光り、白色のロゴが浮かび上がる。


「うわぁっ!?つ、ついた!?すごい!画面が光ってる!」


「やっぱりスマホとほぼ同じだな」


リーナは目の前の魔導具が動いていることに興奮していた。


「えっと、まずは説明書を見て……」


リーナは付属の説明書を開き、ページをめくる。


「ふむふむ……画面に触れて操作……?えっ、触るだけでいいの?」


恐る恐る指を伸ばし、マナホの画面をそっとタップする。


ポンッ!


アイコンが小さく光り、次の画面に切り替わった。


「す、すごい……!私の魔力を感知してるのかな……?」


「どういう仕組みなんだろう……スマホだったらタッチ機能なんだけど、もしかしたら本当に魔力を感知してるのかも……」


「たっち……?」


「まあ、細かいことは気にしないで。ほら、試しに動画とか見てみる?」


「どうが?」


「ああ、ここを押すと、映像が見れるんだよ」


リーナがアイコンをタップすると、画面に映像が映し出された。


タレントらしき魔族の女性が、美味しそうにレストランで食事をしている。


『んー!美味しいです!ここのステーキは肉厚でジューシーで……』


「す、すごい!マナホってこんなに小さいのにテレビにもなるんだ!」


「ふふ、楽しいでしょ?」


「うん!すごく楽しい!!」


リーナは感動した表情でマナホを持ち、次々と別の機能を試し始める。


「これは……?」


「ゲームが遊べるみたいだね」


「えっ、ゲームが遊べるんですか!?え、ええっと、これを押して……」


リーナはぎこちない手つきでマナホを操作すると、ゲームが始まった。


どうやら同じブロックを3つ並べる事で消えるパズルゲームのようだった。


うんうんと悩みながらマナホを操作するリーナ。


「できた!」


指定されたミッションを達成し、1ステージクリアしたのだった。


「これも楽しいです!他には何ができるんですか?」


「そうだな……後は通話もできるよ」


「つうわ?」


ミサキはマナホを操作し、リーナのマナホに通話をかけた。


プルルル……プルルル……


リーナのマナホが振動し、画面にはミサキの名前が表示されている。


「えっ!?な、なんか鳴ってます!?」


「これを押せば話せるよ」


リーナは恐る恐る画面をタップした。


「え、えっと……これで話せるんですか?」


『そうだよ、聞こえる?』


「きゃあっ!?ミサキさんの声が聞こえる!?なんで!?ミサキさんそこにいるのに!?」


「まぁ、こういう機能だからね」


「す、すごい……!これがあれば遠くにいる人とも話せるんですか!?」


「そういうこと。たぶんこの街限定だと思うけど」


「すごいよミサキさん!こんなすごい道具があるなんて……!」


「ああ、私も魔族の技術には本当に驚かされてばかりだ」


こうして二人は、マナホの便利さを実感しながら、魔族の街での新しい生活に少しずつ馴染んでいくのだった。

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