表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔女と憐れみの花  作者: 林健太郎
第2章:魔女の森の伝説
6/21

魔女の花を求めて

アルバートは、アンナの悲しそうな顔を見て、いてもたってもいられなくなりました。拳を握りしめ、心の底から叫びます。


「僕が、アンナの願いを叶えてあげる!」


そう言うや否や、アルバートは一目散に病院を飛び出しました。自転車に飛び乗り、力いっぱいペダルを漕ぎます。息を切らし、汗だくになりながらも、彼は必死に走り続けました。


やがて、仲間たちのもとへ辿り着きます。


アルバートは、アンナが泣いていたこと、そして街の外れにある“決して入ってはいけない”魔女の森へ行く決意を話しました。当然、ドルジとヨハンは反対します。


「ダメだよ!そんな危ない森に僕たちだけで行くなんて!」


ドルジは顔を真っ青にして叫びました。


「だめだ、アルバート。それは無謀すぎる。まずは森の周辺を調査し、安全なルートを探すべきだ。そのために、外周を歩いて地形を把握し、危険な場所を地図に書き込もう。図書館で魔女の森に関する資料も調べておいたほうがいい。」


ヨハンはそう言いながら、リュックから水筒を取り出し、アルバートに手渡しました。


「まずは、落ち着いて話そう。」


しかし、アルバートはどうしても落ち着くことができませんでした。彼はアンナと出会ってからの出来事を詳しく語り、彼女の悲しみや願いを伝えました。


「アンナは、僕たちの知らない世界に閉じ込められているんだ。僕は、どうしてもアンナを助けたいんだ!」


アルバートの熱い思いに、ドルジとヨハンは言葉を失います。しばらくの沈黙の後、ドルジが口を開きました。


「……わかった!僕も行くよ!」


怯えながらも、彼の声には決意が込められていました。


「まったく、お前は……仕方がないな。協力しよう。」


ヨハンはやれやれと肩をすくめながらも、静かに、しかし力強く頷きます。


こうして、子どもたちだけの冒険が始まったのです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ