現世の泣き声
目が覚めた。そこは紛れもなく私の家。だが少し引っかかることがあった。なぜならわたしの顔が涙でベトベトだったからだ。なぜ泣いているのかはわからない。泣いている可能性も一つはあったがそれはないと一蹴した。それともう一つ気絶した場所と部屋が違っていた。確かわたしが気絶した場所は自室だった。だが目覚めればそこはリビング。リビングでなぜか横になりいい年した大人が泣いている。構図として最悪極まりない。結局深く考えることはせずに忘れる前に状況を整理しようと考えた。とりあえず出てきたワードをつなぎ合わせてみることにした。まずは人物からだ。伊吹捨、隠岐姫、叉次。この三人を調べていく。伊吹捨という人は残念ながら存在はしなかった。だが伊吹童子というのがいたようだ。伊吹童子は酒呑童子の幼名である説やヤマタノオロチを崇拝していた一族の長で素戔嗚尊に討伐された説というものがあった。正直ピンとくるのは酒呑童子の幼名であるという説だがまた不確定だ。次は隠岐姫。こちらは何もヒットしなかったが隠岐関連で隠岐の島という島が見つかり、更にそこには八百比丘尼という神?妖?の伝承が残っていた。最後は叉次だ。こちらも何一つヒットはしなかった。なにか共通点でもあるのだろうか?このときは何もわからなかった。さらに深堀りをしようと調べていくうちにある現象がわたしの目を惹いた。その名は「睡眠時遊行症」通称夢遊病だ。