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「今日も、なんか疲れたなー」
「今日は何があったん?」
「えっとねぇ・・・」
唇に人差し指をもっていきながら、あやは二重まぶたをよりはっきりさせた。
長くはないまつげで、しかし魅力的に2回瞬く。
いつもの、この癖がどれだけ男をひきつけるか、きっとこの少女にはわかっていないのであろう。
いや、その自分の魔力に気づいていない今だからこそ‘少女’と言うのであろうか。
あやは、本当にきれいになったと思う。大人になったと思う。
幼い頃から、あやはいつも僕のひとつ前にいた。追いついたかなと思うと、もう2,3歩先をあやは歩いている。
そして、どんな時も明るく、ポジティブ。僕とは大違い。まるでそう・・・太陽と月のように‘お似合い’の2人というわけだ。
「わ・た・る!聞いてるの?」
・・・
怒っている彼女も僕はお気に入りだ。