おじさんは、悪役ブラックマイスターX!!(特に意味はないっ!!)
冬の童話投稿っ!!!アンパンマンでも、哲学的な歌になってるしっ!!こんなんでも、いいよねっ!!
ザブーンッ!!という波打つ音
夕日に照らされた海っ!!
そして、タソガれる僕っ!!
三つのカギが、ソロう時、僕はヒーローになる。
世界が、クリスマスとよく分からない赤いおじさんを崇め奉っている時、
僕は....心ざし強く、目線は鋭くこう高らかに宣言したっ!!
「僕の、力よ!!今こそっ!!目覚めよぉおおお!!」
ザブーンっ!!
海は、荒れた。物凄い勢いで、荒れに荒れた。
「........お母さん、今に見ててよっ!!僕の力が目覚めるからっ!!」
「アーウン。そうねぇ」
「スゥッ!!目覚めよぉおおおお」
ザブーンッ!!海は、本当に特大に荒れに荒れた。
「そろそろ、家に帰りましょう。結構危ないことしてる気がしてきたわ」
「待ってっ!!まだぁ!!まだぁ!!ハァクション!!」
「はぁ.....」
目頭を手で揉むお母さん...そうして、数秒も立たずに僕は、家へと帰還することになった。
「なんでぇえ!!まだ、まだ、目覚めてないのにぃ!!」
「危ないからよ。力が目覚める前に、あなたが倒れてしまったら、意味がないでしょ?」
「違うぅ!!ピンチになったら、目覚めるのぉ!!」
「はいはい。ピンチが、近づいたら、目覚めてくれるかもしれないけど、私がいる前ではピンチにはさせないからね」
「嫌だァアアア」
「はぁ....男の子って、やりにくいわ」
きっと、きっともっと神秘的な力が目覚めたり、どこかから来た怪人が、ぐへへへ、俺の力をお前にくれてやるぜぇ...っとか言ってくれるんだぁ!!!
「仮面ライダーグミ買ってあげるから、それでいいでしょ」
「わぁーいっ!!仮面ライダーっ!!シャキンっ!!ふははははっ」
「......わぁ、単純」
僕は、仮面ライダーに負けた。
「そうか。楽しかったかぁ?海は」
「覚醒しなかったぁ!!」
「ふふふ、男っていうのは、女に惚れられた時に覚醒するんだぁぜ?」
「そうなのっ!?!」
「もう、変なこと教えないの」
「.......じゃあ、僕は女を捕まえるっ!!」
「よし、その意気だァ!!」
「やめなさいっ!!って、言ってるのよ」
『......はーい』
家に帰ってから、お父さんが覚醒するためにはどうしたらいいのか教えてくれた。
お父さん、僕...覚醒してみせるよっ!!
「はぁ...まだ懲りてないの?変なこと言ってないで、もう寝るわよ」
そう言って、寝室のベットの電気を消して、僕の寝室から出ていこうとした。
「明日は、クリスマスだからサンタクロースよ、来いっ!!って、願って寝ろよ。深く寝てれば寝てるほど...サンタは、やってくるんだからな」
「うんっ!!サンタっ!!来い来い来い」
「罰当たりって知ってるかしら」
それから、今度こそ寝室から出ていった。
サンタクロース、来てくださいっ!!サンタクロース来てください!!サンタクロース.....
いつの間にか、僕は夢の中に落ちていた。
目を覚ますと、白い空間にいた。
「ふぉっふぉっふぉ!!ワシが、来てやったぞっ!!」
白い髭を生やした赤と黒の悪役の中でも、中くらいのボスくらいのおじさんがいた。
「おじさん誰?」
「ふむ!!ワシは、ブラックマイスターXじゃっ!!」
「へ、へぇ.....ブラックマイスターX」
「そうじゃ、極悪非道な悪いおじさんじゃっ!!」
「悪っ!?!おじさん悪いおじさんなの?」
「ふふふふ」
少し、不敵に笑ったおじさんは、目をすぼめてゆっくりと言葉を呟いた。
「わる〜い、おじさんじゃ」
「..........」
くいくい、と、眉毛を上下させながら、僕はこの悪いおじさんを不思議そうに眺めた。
「ここは、どこなの?」
「なんじゃ、なんも反応がないの、ここは...夢の....ううんっ!!悪役キングダムじゃ」
「よくわかんなーい」
「.........要するに、悪役がいるところってことじゃ」
少しだけ、やりにくそうにしてる極悪非道のブラックマイマイじいちゃん
「僕は、なにをしたらいいの?」
「ふむ、君は、ワシを倒しにきたのじゃ」
「倒しにきてないよ」
「ぅうんっ!!なら、ワシがお主を倒しに来たんじゃ」
「悪役のいるところで?」
「........勘のいいガキは嫌いじゃよ」
「悪役っぽーいっ!!今のっ!!」
「そ、そうかの?漫画で勉強したかいがあったわい。フォッフォッフオッごほぉごほぉ....」
サンタサンだ...これ絶対、サンタサンだ。
隣に、黒くペイントされて不機嫌そうなトナカイがいるし...
「ブラックマイマイおじちゃんは、今日なにするの」
「マイマイじゃない。ブラックまい....あぁ、もういいわい。ワシには、なぁ...使命があるんじゃ」
「使命?」
「そうじゃ、ワシは誰からも愛されるというわけではない。ちょっとだけ、考えてしまっての...この世界には、どれだけの悪人がおるのかどうか」
「深いね。ブラックマイマイ」
「..........君は、なぜ、ヒーローになりたいんじゃ」
「ふっ....カッコイイから」
「悪役は、カッコよくないのか?」
「かっこ悪いじゃん!!」
「いんや....見て見ぬふりは、イカンと思うのじゃ......」
「考えすぎだよ。ブラックマイマイ」
「........せめて、Xと読んでくれんかの」
「ちょっと、色々被りそうだから...Xは、嫌」
「......はぁ、親御さんは、苦労しそうじゃの、こっちに来なさい。未来のヒーロー君。」
「今も、ヒーローだもん」
「す、すまんの、ヒーローくん」
「うんっ!!」
ブラックマイマイの、ブラックトナカイに引かれて、空を駆け巡る。
「おぉわぁ......月が綺麗だね」
「ワシを口説いても、なんの足しにもならんぞい」
「?」
「なんと、これが....若者パワーか!?!恐ろしいのぉ」
独り言が激しいブラックマイマイは、巧みな操縦術で黒のトナカイを意のままに操る。
黒く染まった家々を、見て...僕は、見とれていた。
「..............ブラックマイマイ.......暗いね」
「暗いのぉ.....ワシのブラックコスチュームのように暗いのぉ」
「おじさんのこと、みんなが祝ってるよ」
「...........そうじゃの」
どこか複雑そうな表情をしながら、空を回る。
「ブラックマイマイ、苦しいの?」
「そんなことは、ないがの.....そんなことは、ないのじゃよ。んんっ!!そうじゃないのぉ、君に、光の剣を取りに行ってほしいのじゃ」
「光の剣?」
「そうじゃ、ワシは...光の剣があれば、輝けるのじゃ」
「ブラックマイマイから、なにになるの?」
「フラッシュマイマイじゃ」
「フラッシュマイマイ......うん。どこにあるの、その剣は」
トナカイが、足を早めたと思ったら、僕達は海を見ていた。
その中にユラユラと輝く光の剣を見つけた。
「ねぇ、僕.....」
「君のロマンじゃ、ワシは、そこへはイカン。君だけが、行くんじゃ」
「ブラックマイマイ.....なんで、僕だけなの?」
「覚醒.....したいのじゃろ?」
「うん....」
地上に、降りて...僕は、海を見つめる。
足が、水に触れる。靴下が、水に濡れる。寒い.....怖い。
「ほれっ!!」
「おわっ!!」
泡が、頭を包む。
気づいたら、海の中を潜っていた。
「ブラックマイマイ、今なにをしたの?」
「勇気を、与えたんじゃ。安心と、勇気じゃ」
「う、うん」
僕は、なんとなく頷いた。
海の中には、小さな魚や大きな魚がいっぱいいた。
「この魚たち、カッコイイね」
「そうじゃの....ワシも、カッコイイと思うのじゃ」
奥にある剣を見つめながら、そう答えた。
僕は、少しだけ頷いた。
「あれじゃ」
「......あれ?錆び付いてて、光ってないよ」
「ふふふ、あれは、実は光るんじゃ」
「外から見た時は光ってたよね?」
「気のせいじゃよ」
そうかな.....ボソッと呟いた声は、海に消えた。
とにかく、引っ張った。
思いっきり、剣を引っ張った。
剣は、思ったよりも、すんなりと引き抜けた。
「おぉ!!引き抜けたっ!!」
「ダメじゃ...間違えたのじゃ、それではない...向こうじゃ」
「向こう?」
僕は、気づくと奥に無数の錆び付いた剣が海に刺さっていた。
僕は、頷いた。
とにかく、近くにあるところから、錆び付いた剣を引き抜いた。
その度に、ブラックマイマイが ダメじゃ...それじゃない。と首を振った。
どれくらい経っただろう。
時間が、永遠にも感じられたその時だった。
「うんしょっ!!うんしょっ!!よしっ!!引き抜けたっ!!」
「それじゃあ!!」
「おぉ!!これが、光る剣っ!!」
ピカッと、錆が一瞬にして剥がれ、キラキラと光る剣を引き抜いた。
気づけば、朝になっていた。
光が、僕を照らしている。
もしかしたら、太陽の光が錆びを剥がしたのかもしれない。
ボロボロと、剣から錆が剥がれていく。
全てが、光る剣だった。
「ブラックマイマイ」
「............間に合うかの」
赤い服を着たおじさんが、情けなさそうに立っていた。
「サンタさん.....でも、見て....ほら、剣たちが!!」
「ん!?!おぉ」
プレゼントに、剣が宿り、空へと飛び上がっていく。
「........でも、良いのか?君の勇気と、安心は.....」
「僕は.....僕は、大丈夫だよ。ちゃんと、もらったから」
「そんなもんかの。」
「うんっ!!そんなもん」
僕と、サンタクロースは、悪そうな笑みを零して、二人で笑う。
ニヒヒヒヒッ!!
そんな笑い声と共に、目を覚ます。
「あ....起きた」
「おぉ、起きたか!!」
「おはよう。お父さん、お母さん」
『メリークリスマス、ヒーロー』