1/10
プロローグババア
ああそうかい……
プチプリティよ……
それはあんたに刻まれた刻印だよ……
あんたはキャンディリングを求めるのさ……
ふかふかのマカロンの森、チョコレートのながれる沼を抜けた先。
琥珀色のアメ色をした霧に囲まれた大地。
そうさ、此処と彼方の間の地、キャンディリングの眠る、コンフェクションの地でね……。
アンタは何度でも地にふせ、砂糖に埋まるだろう。
そのうち未来も、過去も、そして自分自身も忘れてしまうだろうさ。
お前さんは弱弱しいほどに小さく愛らしいモノになるだろう。
ただ、お菓子と、チャルメラを貪るかわいい獣にね。
アンタはもう知っているだろう。
いや、知らなくてもいいのさ。
アンタは門の前に立つだろう。
何度も、何度も、それがアンタの運命さ……。
プチプリティ、アンタの運命さ……。