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血石羅九螺九の遺言状  作者: カガヤキアキラ
1/1

1.HELL-0

あなたは地獄はあると思いますか?


あると言う人もいれば、ないと言う人。

どちらでもいいと言う人、オカルトだと言う人。


百人に聞けば様々な意見がきっと飛び交う、行ったことがあるなんて言う人も居るかもしれない。


けれど、この質問には正しい答えがある。


答えはNO。地獄は無いが正しい。


罪を犯した命を選別し、相応の罰を与えてくれる。そんな、命にとって都合のいい場所はこの世のどこにもありはしない。ただその言葉があるだけ。


しかし、無いと断言するのもまた違う。なぜなら――、


天国には、存在しているという事実がある。

そう、この事実が在るだけで不可解になる。天国があるのならその対と成る、反語である地獄は何故この世に存在しないのか。共に地球という広大な大地で人類に夢想され生み出された宗教的死生観だ。


では、なぜ地獄のみ無いのか。二つの死生観の違いははっきりしている。

元から有るか、元から無いかだ。

前者が地獄で、後者が天国だ。


ようは順番だった。

人類が生まれる前から、生まれて死後を夢想する前から、地獄は在った。


その名は地球。さらに正しく言うと地球に存在するあらゆる社会。

正しく、現在に存在している地獄。それは死後には無く、今生にこそ在ったのだ。


命とは人間に与えられた罪であり。

生とは人間に与えられた罰であり。

死とは次なる生への通過点だ。


これこそがこの世の真実の一つ。

悲しい事実であり、悍ましい真実。


A.地獄は在るか 〇か✕で答えよ ㊟.そしてその理由を述べよ

Q.答え〇 理由:人類の宗教的死生観としての地獄は無いが、地球こそ地獄の概念を搭載した真の地獄である。故に地獄は『在る』が正しい。


つまりはこういう事。

正解。百点満点の解答だ。


あらゆる人類がその生涯で辿り着くことのない真実。


解き、明かしたところで何が変わるでもない、しかして受け入れ難い真実。

そして君たちは思うだろう、なぜ私がそんなことを知っているのか?

行ったことがあるからだ、辿り着くことが出来たからだ。大いなる存在のおわす、深淵に。


これは私の遺言状。血石羅九螺九の残す最後の文。

私は腐っても調査員だ、これを書く理由なんて感情的なもので、ただ私が歩んだ道を、そこで見た物を全て伝えたいだけだ。

殉教の旅の終わり。その直前にこの文を残せるのだから、きっとこの二度目の生に意味はあった。例え、罪と後悔に塗れていようとも私は明日、やり遂げるのだ。


この文も誰にも見られないかもしれないが、それはそれでいい。

特に人類にとって有益な情報など残していない、ただ私が見た物を書きたいように書いているだけだ。


それと、もしこれを誰かが見ている頃には既に私は死んでいるだろう。

まぁ、遺言なので当たり前だが。


上から目線の言い回しで鬱陶しかっただろう、すまなかった。

私には似合わない感情だ、今とても高揚している。


さぁ、続きを書こうか。

次は私が辿り着いた先で見た物についてだ。

あなたは地獄は存在すると思いますか?


私は無いと思います。


多分、三話ぐらいから面白くなります。

自分の考えた世界観やストーリーを元に勢いで小説にしました。無勉強者なので拙い文字ですがどうぞよろしくお願いします。


一万文字以内で一話を構成していき、細々と話数を重ねていきたいと考えています。

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