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新しい世界、違う景色。

万国共通マネマネマネー

目を覚ますと、俺は街中にいた。

色とりどりのレンガ造りの建物は絵本の中の世界を彷彿とさせる。

街の至る所に花が飾られあたたかな陽気の中、美しい音楽が街中に響きわたっておりどこからか聴こえる波の音と相まってとても素敵なところだと俺は思った。

街行く人々は楽しそうに会話をしながら、カラフルで薄い生地でできた服を着て道を歩いている。

なるほど、平和そうでとても良いところだ。と思った。

少し歩きながら人々を観察していると、この世界にはお金の概念はあっても小銭や紙幣で物の売り買いをしているわけではなさそうだということに気がついた。右手についた腕輪をかざして物を買ったりしている。

俺の右手を見てみるときちんと俺にもついていた。

外れるのかどうか試してみたがどうやら外れそうにない。お金を盗まれる心配は無さそうだ。

ここで、意識が途切れる前にあの少年が言っていたことを思い出す。


「超お金持ちで記憶を失ってしまったことになっている…だっけか。」


超お金持ちがどのくらいお金持ちなのかは分からないが、確か犯罪とかも全然無いとか言っていた気がする。

とりあえず気の向くままにこの街をぶらぶらして、いざとなったら腕輪の中に入っているであろうお金でなんとかしよう。

そう思った。矢先の出来事だった。



ーーーーーー

ーーー


「逃げるんじゃねぇよヒト!!!」


そんな怒声が聞こえたので気になって路地を覗き込もうとすると、金髪碧眼の綺麗な少女とぶつかった。


「す、すみません…大丈夫ですか。」

「………」


異世界に来て早々こんな可愛い女の子と出会えるなんて、お金持ちってやっぱなんかついてるなぁ…なんて俺は呑気なことを考えていた。


「っ…ぁー、いたいた。ん、そこのお兄さん、そいつは僕が買うからこっち渡してくれない?」

「買う…、、?この子を?」

「そうだけど?ほら、早く」


なんでもないことのように目の前の小太りの青年が言ってのける。

その言葉に目の前の少女が逐一反応して体を震えさせるのを俺は見逃さなかった。


「何言ってるんだよ…この子、嫌がってるじゃないか!!それに買うってなんだよ…」


俺がそういうと目の前の青年心底わけが分からないという顔で俺のことをまじまじと見てくる。


「んー……、?君どこの子…?銅腕輪の僕が買うって言ってるんだけどもしかして君が買いたいのかい?

100万以上出すっていうなら譲ってあげるけど……」

「っ…お前何を言って…、!!」

「欲しいなら欲しいって言えばいいじゃないか。もっともこのヒトに100万も出せるならね」


とまるで自分のしていることが当然のことであるかのように話を進めてくる。

これでは埒があかない、どうせお金ならあるのだから…と思った俺は


「買うよ。この子を。200万出すぞ、俺は。」


と言った。


「君が?世の中のことをよく分かっていなさそうだけど。」


未だ目の前にいる少女は 信じられない という顔で俺のことをみてくる。


「これでこうするんだろ。」


と右手の腕輪を目の前の男に見せる。

腕輪で買い物をするということはなんとなく分かっていたが腕輪では目の前の少女は買えないだろう。

ただ、お金の張り合いで負けるなんてことは無いはず。そう思って俺は大きく構えていた。


「そ、その腕輪は金腕輪…!世の中の人間の中でも上位0.3%の人間しか持つことが許されていないという…!な、なんでこんなお方がこんなところに…あ、あなたは一体…」


思っていたよりも俺はお金持ちらしい。

俺がお金持ちと分かってから目の前の青年の反応が面白いほど違う。


一連のやりとりを見ていた少女はしばらく考えた後、意を決したように、自らの首輪に俺の腕輪をかざした。



ーーーーーー

ーーー


ピッ



オカイアゲアリガトウゴザイマス

ナンバー 1i8m3a16r

お金の単位とかについて考えていたんですが、分かりやすいように1円=1単位 くらいで進めようと思います。

ドル&セントとか頭の中で計算するのめんどくさい…

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