美少年を発見しました
優しく包み込む様な暖かい日差し。
木々の隙間を通り抜ける心地いい風。
そんな清々しい朝、いつも通り森に通じる扉を開けるとそこには…
美少年がいた。
~
「こんにちは」
日に照らされて輝く空色の髪と、深い夜の海色の瞳。
まるで雪の様に白い肌に、薄桃色の唇。
まるで世界で一番美しいと言っても過言では無いくらいの顔から、あまりにも聞き慣れた言葉が発されて、私は一瞬何が起きたのか分からなかった。
「...あ、あの?」
「あ、ご、ごめんなさい!わ、私に言ったんだよね!?こんにちは!!」
うおおおおおおお!
めっちゃキョドっちゃった!
声裏返ったし!
めっちゃ恥ずかしいナニコレ!!
私は恥ずかしさのあまり、しゃがみこんで顔ではなく頭を抱えてしまった。
「大丈夫ですか?」
「えっ?!あ、うん!大丈夫大丈夫!」
差し伸べられた手を思わず握る。
.................ん?
「ひいいいいいいいいいいいいいい!」
美少年の手にナチュラルに触れてしまった!!
大丈夫かな?!
後からなんか請求されたりとかしないよね?!
あ、なんか美少年が傷付いた顔してる。
いや違うよ!!?
別に嫌だったとかじゃなくて!
ていうかなんならウェルカムだから!
身体中触りまくりたいくらいだから!!!
心の中で叫んだ励ましを伝える訳にも行かず、私は話題を逸らす事にした。
「コホン。えっと、それで、ここには何の用?わざわざ禁足の森に入ってくるくらいなんだから特別な用事でもあるって事だよね?」
ここは“幻惑の森”や“迷路の森”と言われている。
名前の通り、普通の人は一度入ると二度と出られない様な危険な場所が沢山ある森なのだ。
だから、この森で人間に会うのは何十年ぶりもの事だった。
「お願いがあるんです。僕を貴方の家にしばらくの間匿ってくれませんか?」
「...よ、喜んで!」
つづく