第1整 ようこそ!!!ライドロリューキューへ
さて、どうしたもんか
この危機的状況から生きることができるだろうか
地面までおよそ・・・20kmくらいだろうか?まだ距離があるにしてもおそらくこのまま何もせずにいれば地面にぶつかり潰されたカエル・・いや考えによっては形すら跡形もなく残らないで死ぬだろう。
それだけはなんとかさけなくてはならない、だがこの状態で何ができるというのだろうか?
とりあえず落ち着いて冷静に考える、とりあえず今取らなくてはいけない行動は生きる為の考える時間を作るために落下を遅らせること
チラッと目を開け下を見る地面がどんどん近づいていくのがわかる
少しでも遅らせなくては・・・・
そう思い身体をまず地面を見ない様に裏返り空を見上げる
これによって見える恐怖を少し薄くする、だがそれでも後ろからくる空気の圧によって多少怖くはあるのだが見える恐怖というものは頭の回転を鈍らせるのでやらないよりはマシだ。
次に、身体を大の字に開くこれによって空気が当たる部分を多くして身体を押し上げるこれでいけるはずと身体を広げてみる
すると思った通り先程よりスピードが少し緩まった
ふぅと息を吐く
スピードが緩まったとはいえ、このままいけば・・・
先ほど想像したことがまた頭によぎり少し寒気がした
顔をブンブンふり嫌な考えを消し去る
だいたいここはどこなんだろうか・・・・
下を見ない様に右左と見るすると、山が見える
だが、どう見ても日本にはあるはずがない高い山で山の上には雪が積もってるのがチラっと見える
ふむと目をつぶる、頭の中にある勉強した知識の中にあのようなデカい山があっただろうか・・・
エベレスト・・・ヒマラヤ・・・ロッキー・・・富士山
どれにも該当しない
ではここはいったいどこなのか・・・右腕にはめた金色に輝く腕輪を見る
「この腕が光った後、俺は気を失ってしまい気づいたらこの空の上・・・気を失ってる内に何者かによって連れ去られた後飛行機に乗り上空からどこかに投げ捨てられた、あるいわ・・・」
占い師との会話を思い出す
「あなた・・・異世界に興味はありませんか?」
・・・・・異世界・・・まさかなここが異世界なんてことはありえないよな
とその考えを捨て去ろうとする、すると上空から何やら落ちてくるのがわかる
なんだ?そう思い目を凝らして見てみる
凄いスピードでこちらに迫ってくるのがわかるが飛行機とかそう言うたぐいの物ではなさそうだ
しばらく見ていると徐々に距離が縮まってきて何か聞こえはじめる
これは人の声か・・・そう思い目をつぶって耳を傾けてみるすると声の主がなにか喋っている
「えっと・・・きゃ~たすけてください・・・・」
うん・・わかったことはただ一つ
目の前に見えるこの声の主も絶賛助かる方法があらず俺と同じように自由落下しているという事だけだ。
助けてくださいと言われても、こちらも落ちているだけなのでどうにもできない
チラッともう一度落ちてくる人物をみる
風で髪をばたつかせながら落下してくる人物、おそらく女性なんだろう髪の毛が結構長い
服装は、黒いローブのようなものを着ている・・・
ん?黒いローブ?
一瞬ふと考えると確か俺に異世界に興味がないかと言ってきた占い師、あの占い師も似たようなローブだった気がする
そして極めつけは先程聞いた声、聞き間違いとかでなければ同じ声なような気がする
そう考えてると声の主がどんどん近づいてきて姿がわかるようになってきた
目の前に自由落下してくる女性は、腕を顔の前にネコのように組んでいるせいで落下スピードが自分より早いのがわかるとりあえず声をかけてみる
「おい!!!あんた!!!そうやっていると落下スピードが速くなるから腕を広げて・・・」
と声をかけてる内に通り過ぎてしまった
「たすううううけてえええええええええええええええ」
そう叫びながら落ちていく
くそっと身体の向きを変え大の字をやめて身体を縮めて空気抵抗を減らす
すると、先ほど通り過ぎた女性のように落下スピードがあがった
3m、2m、1mと距離を縮めついに同じ並びになった
だがこのままではやばいこのスピードでの落下は確実に死ぬ
地面までもうそこまで距離がない
考えることに時間をかけ過ぎたことと、追いつくために一気に落ちた事が原因だろう
くそっ!!!このまま死ぬのか!!!このわけのわからない状況で死ぬのか!!!そんなの嫌だ!!!絶対死んでたまるかと歯を食いしばる
すると横に並ぶ女性が叫ぶ
「スキル!!!スキル!!!スキル発動して!!!!腕輪に左手の親指当てたらウィンドウ画面がでるからその中からスキル!!能力発動して!!!!」
バタバタと洋服が風に当たる音で綺麗には聞こえにくいがとりあえず何もしないよりはマシだ
そう思い言われた通り左手の親指を当ててみる
すると、チャランという音と共に目の前にウィンドウ画面が現れた
画面にはステータス、道具、仲間、勲章などの文字が書いてあった
これはどう見てもゲームによくあるものだと考えたが今はそんな事を気にしている場合ではないかとスキル発動に必要そうなバーのステータスを押してみるとそこには筋力、頭脳、俊敏などなど書かれた横にスキルと書かれたバーがありそこを押す
するとそこに書かれていた能力は先程自分が占い師にもらって書いた能力と同じものが書かれていた。
俺が書いた能力「観察眼」「マッサージ」「整体」「針灸」「幸運UP」「加速」などが表示されその中に「八卦」というものがあった
我ながら将来マッサージ屋か整体師になりたかったから書いてみたのだが・・・と頭を抱える
こうなるんだったらもっとましな能力書けばよかったと今更になって後悔する
だが後悔しても遅い、もう地面まであと少しという所まで近づいているのだからこのスキルでどうにかするしかない。
とりあえずと隣ですごい声をだしながら叫んでる女性に声をかける
「後で事情は絶対聞かせてもらいます!とりあえず俺のところまで寄ってきてください!」
そう指示を出すと女性は泣きながらコクコク頷き、空中を泳ぐようにして近づいてきて自分の服をつかみ大きな声を出した
「つかんだわよ!!!はやく!!!どうにかして!!!お願い!!!なんでもしますから!!!」
涙を流しながら懇願してきた
今なんでもしますって・・・とツッコミをいれたくなったがそんな悠長な時間はない
下を見るともう100mもないくらいに近づいていた
一か八かとスキルを三つ選択する
すると地面に青いマークと赤いマークが見えた
今落下するところに赤いマークがあり少し離れた場所に青いマークが映し出されていた
青いマークまではもうどうやっても行くことが出来ないのでこのまま落ちるしかない
「しっかりとつかまっていてくださいよ」
そういい両手を地面に向ける
チャンスは一回と深く息を吐くそして、思いっきり息を吸い込んで力を入れる
すると手のひらが赤く光り始めた
徐々に光がましていき地面まであと1mというところで
「八卦!!発動!!!!」と声をだし地面に打ち出した
するとズドンという音と共に身体が一瞬浮き、地面がメキメキという音を立てて割れて中から水が柱のようになって噴射され自分達を押し上げた
「おわあっ」「きゃああ」とそれぞれ声をあげて地面にそれぞれ叩きつけられた
多少痛かったものの死ななかっただけよかったと思うしかない
地面から湧き出た水はしばらくすると噴射をやめてそして止まった
止まるのを見届けてそして天を仰ぎながら大の字に倒れ声を出した
「助かった~~~~~」
そう声を出して生きている実感を確かめた
なにせあんな高い場所から落ちて無事助かったのだからもう奇跡でしかない
右腕の腕輪に左手で親指を当ててステータスを確認する
すると先程自分が押した能力「観察眼」「幸運UP」「八卦」が青い点滅していてしばらくすると赤点滅になり点滅を終えた
どうやら青点滅はスキルが発動しているときになり、赤点滅はもうすぐ消えるという合図なのだろう
なんともゲームぽい設定だ
スキルが使い終わったのを見届けてウィンドウ画面を閉じて座り込む
すると先程しがみついていた女性が反対側に倒れていた
よいしょと立ち上がり顔を覗き込むと
透き通るような白い肌、綺麗な顔立ちで日本では美人の部類に入るだろうと思われる、茶色いロングヘアで黒いローブの上からもわかる胸
間違いなく女性だという事を確認した
そして、顔の近くに手を当てる
スウスウという可愛いと息が手に当たるのを確認する
「よし・・とりあえず生きてはいるから気を失っただけか・・・にしてもここはいったいどこなんだ?」
と辺りを見回すが周りはどうやら森の様で運よく広場だったところに落ちたらしい
これも幸運UPスキルのおかげだろうか?と少し頭をかきながら考える
もういきなりいろいろあり過ぎて訳が分からない
空からスカイダイビングするし、女性が一緒に落ちてくるし、腕輪にあるスキル能力のおかげで一応命は助かったものの、ここがどこだかわからない
もうどうしたらいいかわからない
とりあえずこの女性は何かしら知っているようなので起きたらいろいろ事情を聞くとしてとりあえず服を乾かさなきゃなと思い腕輪のウィンドウ画面を開く
先ほどみた道具という所を押すと、その中には「スマホ」「バッグ」「洋服」「ズボン」「靴」「針」「ライター」などいろいろ表示された
よくよく見るとほとんどが自分が光に飲まれる前に所持していたもので、あとは自分の部屋に合ったものなども表示されている
つまり自分しか知りえないものが書かれているのだ
とりあえず洋服とズボンを押すとチャラーンと音を出して目の前に現れた
おおっとびっくりしたもののなぜこんなことが出来るのだろうと不思議になる
まぁ今はとにかく着替えなくてはと服を脱ぎ始める
すると隣でうぅううん声がしてピクンと反応する
これはもしかしてと後ろを振り向くと倒れていた女性がこちらを向き顔を真っ赤にしている
「あっ・・・どうもぉ~」と声をかけると
「きゃあああああああ!!!!ヘンタイ!!!!」と右ストレートを綺麗にくらい空中に高々と飛ばされた
ぐはっという声を出しながらなんで俺がこんな目に心で思いながら地面に落ち気を失う
バシャっという音と共に冷たい感覚が顔におきた
「つめたぁ!!!」と顔に手を当てるとどうやら水をかけられたようだ
ヘックションとくしゃみをすると前に倒れていた女性が立っていた
「すっすみません・・・起きたらあなたが服を脱ごうとしていたので新手の犯罪者かと思いましてつい手が動いてしまいました・・・その・・大丈夫ですか??」
そう言いながら髪を耳にかき上げて手を差し出してくれた
その手を取り立ち上がる
「いやいいよ謝らなくて、俺も不注意だったしねこちらこそなんかごめん」
そういうと女性は首を横に振った
「あなたこそ謝る必要ありません、私を助けてくれたのに殴ってしまったんですから本当にすみません」と深々とお辞儀をする女性
多分このまま続けたらループするんだろうなと思い話をかけることにした
「じゃあえっと、聞きたいんだけど君って俺にアンケートさせた占い師でまちがいないかな?」
と聞いてみると元気に頷いて答えてくれた
「はい!!!先程はお答えいただきありがとうございました!!!申し遅れました。私シャウネ・ルーウェンスと申しますどうぞシャウとおよびください」
と笑顔で自己紹介をしてくれた。
その笑顔はまぶしすぎてたまらなかった
おうっと一瞬なったがここで名乗らなかったらまずいだろうと首をふって姿勢を正す
「俺の名前は里中健太だえっとよろしくお願いしますでいいのかな?」
というとにっこりと笑顔を見せてくれた
そして手を前に出してくれたので自分も手をだし握手をする
そして彼女が大きな声で放った
「ようこそ!!!異世界ライドロリューキューへ!!!」
その言葉を聞いた瞬間理解した
俺は異世界転移させられたのだと・・・・・