7.ママが、護ってくれたのかもね……
――島で生きる人々に大切な恵みをもたらしてくれるその山が、季節の移ろいに合わせて見せる様々な表情は、ただひたすらに高貴で美しい。
間近にあってはあらゆる自然の、また遠くにあっては山そのものと空との間に、人の手には到底なしえない見事な調和をもつ山はしかし、同時に、中腹あたりまでは比較的なだらかなものの、山頂部ともなると、おいそれと触れることの叶わない峻険さを擁してもいる。
その優しさと厳しさの内包に、人は神の存在を見続けてきたのだろう。ゆえに――。
……神の座す場に、最も近い山。
島のシンボルでもあるケテル山を、セフィラの住民は敬愛を込めてそうたとえてきた。
「さて……ケテル山には入ったし、指示されたところまではもう少しだけど」
つづら折りの坂道を登り切り、道路が一旦下りに変わるところまできて、マキはようやくスピードをゆるめた。
ミラーで改めて確認してみるが、街中ではしつこく付きまとっていた車のような影も、神聖な地と崇められるケテル山に入ったせいか、今ではそれこそ影も形も見えない。
「いない……諦めたかな」
マキの言葉に、カタリナも、ソウも、ぐったりした様子で人形のように首を縦に振る。
……どうやら二人とも、曲がりくねった山道を高速ドリフトで駆け回るうち、すっかり目を回したようだった。
「ちょっと……大丈夫? 一応、あなたたちも乗ってるし、控えめにはしてたんだけど……」
「ひ、控えめでこれかよ……。
だから姉さん、ニセモノだって言われ――あだっ!」
カタリナの下で悪態をつく弟の額を、マキは指で思い切り弾く。
「――カタリナは? 大丈夫?」
「だ、だいじょうぶです……へっちゃらです。慣れてますから」
「それはつまり、あたしに振り回されるのが、ってこと?」
意地悪くそんなことを言いながら、しかし笑顔のマキはゆっくりと静かに、エリーゼを路肩に停車させた。
「あれ、姉さん……指示されてるのはもう少し先のヴィアーハ湖までだけど……」
「まあ、ここまで来れば充分でしょ。もう追ってきてないみたいだし。
――ところで……」
ようやくといった感じでハンドルから手を離し、凝りを取るように腕を伸ばしながら、マキはカタリナたちをジロリと見やる。
「結局、何があったわけ?」
「え? いやそれは、えーと……」
しどろもどろに言葉を探すソウに対し、カタリナは淀みなく、ソウと一緒に買い出しに行ったところからの顛末をマキに語って聞かせた。
一通り聞き終わったマキは、無言でソウの額をもう一度指で弾く。
「はあ、まったくアンタは……。
昔から変に運が悪いんだか良いんだか、よく厄介事に巻き込まれるけど……カタリナまで道連れにしちゃいかんでしょうが」
「あ、あのマキさん、わたしは大丈夫ですから……」
「いいんだよカタリナ。姉さんの言う通り、オレがよく知らない店に行こうなんて言い出さなきゃこんなことにならなかったと思うし。
でも……あの影みたいなの、ホントに何だったんだ?
初めにオレたちを追いかけてたチンピラっぽい連中も、アレには驚いてたみたいだし」
「さてね……あれが、悪霊か、悪魔ってやつじゃない?
不思議と、特に理屈なくそんな風に感じたし」
マキが思ったままを口にすると、カタリナもソウも、あっさりと同意した。
それほどまでに、その呼び名が共通の認識として安定していた。
ただ、マキ自身は影の正体よりも、ソウたちが結果的に断片的に盗み聞きしてしまうことになった、ヤクザ者の男たちの会話の内容の方が引っかかっていた。
その中には、『良い取引』『データを盗む』『脅迫』『病気の子供』……などといった、不穏なものも含む言葉が並んでいたという。
確かに何らかの犯罪を匂わせるものだが……。
マキが気を引かれたのは、その事実よりも、病気の子供という単語そのものだった。
――ふと、思い出してしまったのだ。
昼間に病院で会った少年、ロイを。
そして……幼い頃、やはり病院で死の淵を覗くことになった、自分自身のことを。
なにぶん幼い頃の、しかも病床の身の上でのことなので、何もかもを鮮明に覚えているわけではない。
だが……危篤と言われているとき、病院のベッドの上で感じたのは、恐怖だけではなかった。
そこには、確かに、何か暖かい感触もあったのだ……『死』は怖いばかりのものではないと、優しく包んでくれるような、そんな感触も。
(ううん、それだけじゃない……。
何かもう一つ……大切なことを忘れてるような……)
「……姉さん? どうかした?」
腕を組み、難しい顔でうなり続けている姉に、ソウは遠慮がちに声を掛ける。
それでマキも思索の淵から我に返ったのか、ぱちりと目を開けて大きな息を一つ吐き出した。
「ここであれこれ考えてても仕方ないし、お腹も空いたし、とりあえずウチに――」
帰ろうか、と言おうとして、マキは何か――妙な気配、イヤな予感――そんなものを感じ、ミラーを使うことも忘れてばっと後方を振り返る。
5メートルぐらい離れたそこには、いつの間にか一台の車が停まっていた。
「え、車……?
エンジンの音とかしなかったのに、いつの間に……?」
マキの視線を追ったソウたちも、神妙な顔になる。
それは、先ほどまでの『車のような形の影』とは違い、色こそ黒塗りではあるものの、確かな実体ある存在としての車だった。
しかし――
「……っ!」
悪霊、悪魔……本能が無意識にそう認識してしまうあの気配は、先の影より、もっとずっと濃密で強いものをまとっていたのだ。
恐怖に駆られたと、そう自分で理解する間もなく――マキは反射的にエリーゼを急発進させていた。
エンジンを止めていなくて良かったと、心底からの安堵がもれる。
「ソウ! あの車、車種とか分かったっ!?」
ゆるやかな下り坂へと飛び出したエリーゼ。
それを待っていたかのように、後方の車もゆっくりと動き出していた。
ソウは首を伸ばしてそちらを振り返り、すぐさま答えを持ってくる。
「間違いない、『毒蛇』だ。
でも……なんかヤバい。アイツ、普通じゃない!」
「……でしょうね。
あれこそ悪魔だとして、わざわざ『蛇』を選ぶとか……ずいぶんとシャレが利いてるじゃない……!」
マキは思わず唇をなめる。
先の影とはまるで密度が違う、圧倒的な迫力を備えた気配は、実際の質量を持って背中を突き刺してくるかのようだった。
* * *
ヴィアーハ湖――ケテル山中腹に位置する、澄み切った鏡のごとき美しさをもつ湖。
その中央が、突然、映し込んだ満月のような円形の輝きを放ったかと思うと……中から二つの人型をした光が立ち現れる。
大きいものと小さいもの、二つの光は並んでゆっくり、水面の上を湖岸に向けて歩を進める。
一歩のたびに小さく広がる波紋の同心円が、その光景の神秘に彩りを添えた。
やがて陸に足をつけた二つの光は、そこで何か境界線のようなものを抜けたのか……爪先から徐々に、はっきりとした人間の姿へと変じていく。
結果、そこに現れたのは……。
不可思議な光に代わって、長い金髪の青年と、その胸元ほどの背丈の少女――天界に住まう天使、カマエルとサリエルの二人だった。
「……んー……。
この服、ちょっとばかり地味かしら? サリー」
一応は男性物だが、袖口や襟がひらひらしたフリルでふんだんに飾られた自らの服を確かめ、カマエルは尋ねる。
片やスカートを基準にした控えめな、普通の人間の少女らしい服装のサリエルは、カマエルをわざわざ見ることなく、あっさりと答えた。
「いえ、大変よくお似合いです。兄様」
「……ンなこたぁどーでもいい、って雰囲気が全開ですわね、サリー……。
おネエ様としては、可愛い妹とともにファッションについて語らいたいと――んん?」
唐突に、カマエルは耳元に手をあてる。
……山の下方から、明らかに自然界のものではない音が届いていた。
そしてそれを聞きつけたのはサリエルも同様だったらしい。
「兄様、これ――この排気音は……!」
「ええ。ですわね。……ガブリエルの報告から推測した通り。
――まったく、あの陰湿なヘビ女らしいというか」
やれやれと肩をすくめるカマエル。
対してサリエルは、彼よりはるかに事態を深刻視しているらしく、あわてた様子でカマエルの顔を見上げた。
「兄様、そんな落ち着いている場合ではありません!
助けに行かなくては――!」
「大丈夫ですわよ。あのヘビ女のことなら、誰よりわたしが一番良く分かるもの。
……これは遊び。
別に今、あの娘を取って食おうというわけではないわ」
「ですが……!」
一瞬声を荒げるサリエル。
……その頭に、ポンとカマエルは手を置いた。
「まぁ、それでもケガぐらいはするかも知れませんものね。急ぎましょうか、一応」
* * *
「……べらんめー……!」
マキはちらりとバックミラーを見やり、舌打ちする。
――手を抜くどころか、黒い影に追われていたときよりも攻め込んでいるはずだ。
にもかかわらず、黒いバイパーは一向に離れない。
夜の峠道を弾丸のように駆け下り続けるエリーゼの背後に、まさしく影のように付き添ったままだった。
「ね、姉さん! いくら何でも、は、速――」
「黙ってなさい、舌噛んでも知らないわよ!」
コーナーまでいくらもない短い直線を、アクセルを限界まで踏み込んで一気に加速させる。
勢いのついたジェットコースターよろしく、ライトの明かりに浮かぶ、崖に面したガードレールが恐ろしいまでの速度で近付いてくる。
カタリナやソウが事故を想像して身をすくめる中……マキだけは冷静に、常識的には早すぎるタイミングでハンドルを切り、ブレーキを踏み込んだ。
後輪が甲高い悲鳴を上げながら滑り出し、フロントガラス向こうの景色が、吹き飛ぶように真横に流れる。
(これでどう……っ?)
そもそもエリーゼは、バイパーに比べれば馬力こそ小さいが、重量も半分程度で、旋回性に優れた車だ。
高速道路のように直線が長い場所ならともかく、この曲がりくねった峠道、しかもパワー差が出にくい下りとなれば、決して見劣りはしないはずだった。
高速ドリフト中のエリーゼを、ハンドルを逆方向に切り、適度にアクセルを開けて安定させながら、マキはバックミラーで後方を確認する。
――離れない。
間違いなく有利なはずのコーナリング。
しかし黒いバイパーはマキが限界まで攻め込んだ上での高速ドリフトに、さながら対極の磁石のように、限りなくゼロに近い車間距離を保って、ぴったりと張り付き続けていたのだ。
……およそ人間業とは思えなかった。
改めてマキは、背筋に冷たいものが伝うのを感じる。
悪魔、という単語が脳をよぎる。
――しかし、これで恐怖に呑まれればそれこそ終わりだ。
冷静さを保つためにも、マキは全神経をエリーゼの運転に傾ける。
そうして、コーナー出口、滑っていた後輪が改めて路面に食らいつき、車のベクトルが前方へと向かうのを肌で感じ取ると、即座にアクセルを全開にしてエリーゼを加速させた。
――状況に変化が起きたのはそのときだった。
これまで後方に位置し続けていたバイパーがいきなり対向車線へと飛び出し……これが本気だと言わんばかりの怒濤の加速で、エリーゼを追い抜きにかかったのだ。
「な――っ!」
ダッシュボードのホルダーに挿していたスマートフォンの画面をちらりと一瞥し、表示されている地図で先の道を確認したマキはぎょっとする。
ここの直線は短い上に、終わり際に高低差の大きい連続コーナーがあった。
およそ、あんなスピードを出して曲がりきれるとは思えない。
ガードレールに激突するどころか、急な下り坂でジャンプして、そのまま谷底へ飛び降りてしまうだろう。
自殺志願としか思えないバイパーはしかし、コーナー突入前、道が急に下るちょうど直前の位置で、タイヤが白煙を上げる強烈なブレーキングから、車体が真横を向くほどのドリフトに移行する。
だが、それではジャンプを防ぐほどにはスピードを殺せていないことは、マキは感覚で分かった。
果たして――バイパーは飛んだ。
真横を向いたまま、アスファルトを蹴って宙に身を投げる。
目前で減速した分、谷底へ直行する死のダイブというほどではなかったが、それでも淀みなく事故へと連想が繋がる危険な光景。
――それが急に、マキにはスローモーションで見ているように、ゆったりとしたものに感じられた。
さらに、つい今の今まで抱いていた、一瞬の後、確かに起こるであろう事故への不安が急にぬぐい去られ、代わりに圧倒的なまでの畏怖が心を占める。
(あのヘビ――翼がある……!?)
本当に翼が見えたわけではなく、なぜそう思ったかは分からない。
しかしマキにとって、それは確信と言っていいものだった。
事故が起こる可能性など、もはや微塵も信じられない。
そしてそれを、バイパーは形ある事実とした。
もともとが事故の多い場所のせいか、谷側へ向けて反ってしまっているガードレールの上に、寸分も狂いなく外側の後輪を落下させると……。
そこを蹴り飛ばすようにして逆方向に跳ね返り、無理矢理車体を次のコーナーに最も適した向きに切り返しながら車道に戻ったのだ。
「――! マキさんっ!」
「しまっ――!」
バイパーの人間離れしたコーナリングに、見とれたというよりは魅入られていたのだろう。
カタリナの一言で我に返ったマキは、高低差でジャンプこそせずに済んだものの、コーナーを安全に曲がるにはエリーゼの減速が充分でないことに、遅まきながら気が付いた。
「間に合えぇーーーっ!!」
思わず絶叫しながら、近付くガードレールから逃げるようにハンドルを目一杯に切り、限界のその先を期待してブレーキを踏みつける。
止まりやすく曲がりやすいという性能のお陰もあってか、エリーゼは何とか後部をガードレールに擦るぐらいでコーナーを曲がりきった。
しかし……超過した速度と、無茶な姿勢そのものが帳消しになるわけではなく。
次の逆方向へのコーナーに対応するのは完全に不可能な状態に陥っていた。
そびえたつ岩壁が、あっという間に大きくなる。
「カタリナっ、ソウっ!」
マキがなり振り構わず二人に注意を促したその直後――予想通りの派手な衝撃がエリーゼを襲う。
ついで忠実に膨らんだエアバッグが、鼻っ面に、固いクッションを思い切りぶつけられたような衝撃をおまけした。
「いっつ……!
――二人とも、大丈夫……?」
マキは頭を軽く振りながら、助手席を見やる。
カタリナもソウも、目を回してはいるが怪我らしい怪我もないらしく、比較的元気にそれに応えた。
よくよく見れば、ソウがとっさにカタリナを守るべく、より深く自分の方へ引き込んでいたらしい。
狭いシートの幅でそれをするのは自分の身体がつらかったはずだが、そうしなければエアバッグと挟まれたカタリナは、タダではすまなかったかも知れない。
また、エリーゼが崖に激突したのが、運転席側からだったのも不幸中の幸いだった。
「……よくやったわ、ソウ。さすが、あたしの弟ね……」
言いながら、マキは二人に先に車外へ出るように手振りで告げる。
スピードはある程度殺していた上、ぶつかったのが逆方向だったため、助手席のドアは難なく開いた。
二人がふらつきながらも安全に出たのを確かめ、マキもその後を追う。
そうして外に出たところで、カタリナから指摘されてこめかみの辺りを切っていることに気が付いたが、それ以上の怪我らしい怪我は、三人とも無いようだった。
しかし、エリーゼはそうはいかなかった。
ざっと見ただけでも、ガラスは派手に割れ、ボディは無残にひしゃげている。
エンジンを初めとする内部機構も、おおよそ無事とは思えない。
火を噴いていないのが不思議なほどだ。
「……ママが、護ってくれたのかもね……」
マキはお礼と謝罪を繰り返しながら、そっと愛車をなでる。
ふと道路の先を見やれば、黒いバイパーはすでに、その姿はおろか走行音さえ霞んで、夜の闇の中へ消えている。
合わせて、あの不穏な気配も、嘘のように四散していた。
「……姉さん」「マキさん……」
「二人とも、ゴメンね。
結局、危ない目に遭わせちゃった……」
弱々しく微笑みながら謝るマキに、二人は口々にそんなことはないと言い募る。
「姉さんが来てくれなきゃ、それこそどうなってたか分からないんだしさ」
「そうですよ。それに、こんなケガまで……」
カタリナは汚れるのも構わず、ハンカチでマキのこめかみの血を優しく拭う。
マキは改めて二人に礼を言うと、何とか難を逃れたスマートフォンでどこかへ電話をかけ始めた。
「……とりあえず、もう大丈夫そうだし、タクシーを呼んであげるから。
二人は先に家に帰ってなさい」
「でも……マキさんは? ケガもされているのに……」
「ちょっと切っただけだから大丈夫。
あたしはほら、エリーの後始末をしなくちゃいけないから。業者呼んだり、修理の相談したりって結構時間かかるから……だから二人は先に帰ってなさい。
――ソウ、パパへの説明は任せたからね」
近くを走るタクシーにここへ来てもらえるよう、手早く話をまとめたマキは、そう言って弟の肩を叩く。
「分かったけど……説明ったって、何をどう言えば……」
「バケモノみたいなヤツらに追いかけられたって、正直に言いなさい。
どんな馬鹿げた話でも、子供が真面目にそうだったと言うなら信じる人よ、パパは――あんなだけど」
……やがて、しばらく待って現れたタクシーに二人を乗せると……。
マキは一人、沈黙するエリーゼのそばに座り込んだ。
星のまたたく夜空を見上げ、大きな大きなため息をつく。
色々と考えることはあるし、そもそもまずは自分で言ったようにエリーゼを運ぶために業者に連絡しなくてはならないのだが……それすらする気になれなかったのだ。
――そんなときだった。
「あーらら。これはまた、エラいことになっちゃってますわねえ」
不意に声をかけられて、マキは弾かれたように顔を上げる。
目の前には、いつの間に――そしていつからいたのか。
金髪の青年と、小柄な少女が並んで立っていた。
「先んじて、ラファエルに連絡を入れておいて正解だったということかしら」
「あの……あなたたちは?」
タクシーの運転手が気を利かせて呼んでくれた業者……というにはあまりに浮き世離れした雰囲気の二人に、マキは立ち上がりながら尋ねる。
「わたしたち? ええ、貴女を迎えに来たのですけれど」
「……は?」
怪訝そうに眉をひそめるマキをよそに青年は、美しく整った顔にふさわしい、やわらかな笑みを浮かべた。
「約束を果たしてもらうときが来た、ということです。
……マキ=エモン・アーロッド」
「――――っ!?」
初めて出会った相手のはずだった。
しかしマキは――。
自分に向けられたその微笑に、正体のはっきりとしない……だが確かな懐かしさを、感じずにはいられなかった。