第二十五話 美少女は××××
人は、してやったり！と思うことに思いもよらぬ答えが返ってきた時、異常に驚いた反応を見せる。
目の前の美少女は今、ちょうどそんな感じだ。
「Nice to meet you.(初めまして。）
I'm Ann Tachibana of his acquaintance.（私は彼の知り合いの立花 杏です。）」
にっこりと笑って、"知り合い"を強調しつつ答えたらこうなった。
「…恵麻ムダだぞ。杏は帰国子女だから」
水嶋恭介にそう言われると、美少女はまじまじと私を見てきた。
う…何か緊張する。
「ごめんなさい驚かせて。私は妹の恵麻って言います」
今度は日本語で挨拶をしてくれた。多分根はいいコだ。
「悪いな。こいつちょっとブラコン気味なんだよ。
会った俺の友達はまずこれ言うし。ま、悪気ないから」
「ちょっと！私ブラコンじゃないってば!!」
ブラコンね。納得。
私がコイツの彼女候補とか思っちゃったわけだ。
「去年の文化祭知らせなくて後で言ったらもう激怒。
今年は絶対行くってうるさいから呼んだってわけ」
ふぅん。ちゃんと"お兄ちゃん"してるじゃん。
「何歳？中学生だよね？」
「14歳中学2年生。…杏さん本当に兄の友達？」
…うん、知り合いね。
「彼女とかじゃないですよね？」
「全く違います」
私がそう答えると、恵麻ちゃんの顔は一転して明るくなった。
「よかった！もしそうなりそうなら止めておいた方がいいですよ？
恭介女癖悪いから♪」
本人は否定してたけど…このコ相当なブラコンだ。
「恵麻それ言うなって…笑えねぇ」
水嶋恭介も妹には弱いみたい。
何だか笑える。
…しかし目立つ兄妹だな。
これじゃあ"壁"もなにもあったもんじゃないと思うんだけど。
タイトルの「××××」は、「ブラコン」が正解です（笑）恵麻は恭介が好きみたいですね。
