第十話 役に立たない情報
「彰が沙希ちゃんに近々告る予定。悩んでるようならフォローよろしく!」
アイツからこんなメールがきたのはあれから数日後。
「ぎゃぁ!」
思わず見た瞬間携帯を落としてしまった。
良かったトイレとかに落とさないで。
…でも嬉しいかも。沙希も最近楽しそうだし
「何て見んの?」な…!?
「メールかぁ。…あ」
マズイ〜!!沙希に見られちゃ意味ないじゃん!!
「あ、あのね沙希っ!これは…えっと」
人ってこういう時慌てて墓穴掘るんだよね!!え〜と…どうしよー!!
「そのメール誰から?」
ん?沙希は意外と落ち着いている…
「…水嶋恭介」
冷や汗ダラダラながらも沙希の質問に答える。
「恭介くん?あれ、杏、恭介くんと連絡取ってるの!?」
えー!驚くとこそこじゃないでしょ!!
「えぇっと…そうなんだけどそうじゃないっていうか…」
沙希を洗脳するためだとは言えない…
「でもそのメール意味わかんない。私もう付き合ってるよ?彰くんと」
え。
「えぇぇぇ!知らないよ私!いつの間にっ!?」
「んと3日前かな。告白されたのはその日♪」
沙希は嬉しそうに言う…とりあえずおめでとう。
で…。
いつの情報だぁぁぁ!!水嶋恭介っっ!!
全然役に立ってないですから!!
沙希に何も聞かなかった私も悪いけどさ…
「でも驚いた。杏と恭介くんってそういうことだったんだぁ」
満面の笑みを浮かべる幸せ絶頂の沙希
…残ったのは大きな勘違いが一つ。




