表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
男達  作者: N澤巧T郎
9/52

12人目『つまづく男』

「あっ!!」


ドテッ


「イテテテテッ」


またつまづいてしまった。


俺って何でこんなにつまづくんだ?


昔からそうだ。


一日に一回は必ずつまづいてる。


足場の悪いところはもちろん平坦な道でも平気でつまづく。


なんでだ?


「歩き方が悪いんだよ」


前々からわかってたみたいに言ったのは俺の友人だ。


「お前はしっかりと地面に立ってない。両足でちゃんと地面に立て」


「そうか?俺はちゃんと立ってると思うけどなあ」


「それにお前は前ばかり見ている。前ばっか見てるから足元の石ころに気づかないんだ」


「でもよう。そうすると電信柱とかに頭直撃するんだよなあ」


「足元ばかりを見ろといってるわけじゃない。前も見て、なおかつ足元に意識を持って歩く。そうすればつまづかない」


「そうかなあ」


「それとだ。砂利道みたいにつまづきそうな場所なら小股でゆっくりと慎重に歩け。平坦で安全そうな道だったら大股でしっかりと歩け。その道その道の歩き方で歩け」


「でもよお。俺ってばどこでも転ぶからどこでもゆっくり歩かないとダメって事になっちゃわない?」


「だったら早く家を出るまでだ。ゆっくり行くってわかってんだからそのために準備してればなんの問題もないだろう。それに、歩き続ければ絶対に目的地まで着くんだから」


「それだと朝もっと早く起きなきゃだめなのかあ。つらいなあ」


「っていうか。つまづいたって別にいいだろ」


「どうして」


ドテッ!!


「イテテテテ」


助言してもらってもやっぱりつまづく。


多分俺はこれからもつまづきっぱなしの人生なんだろうな。


でも、あいつの言うとおり。


つまづいたら


―立ち上がればいい―



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ