表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
男達  作者: N澤巧T郎
51/52

59人目『溺れる男』 60人目『訪れる男』

1話600字以下のため、2話同時掲載

59人目『溺れる男』


 海で出会ったあの日。勇者気取りで出発し、帰ることができずにもがきくるしむ。

 消え行く意識に浮かぶ君。


 続く日照り、大地は乾き、人はもがき。50度目前、熱くなった道路上、僕の目前、焼かれるあなた。

 僕は驚き、かすかな響き、慌てふためき、水を差し出し、アナタは飲み干し、よろけながら立ち上がり、去り行くあなたの姿は遠い。


 海で拾ったあの日。勇者気取りで持ち帰り、開けることができずにそのまま眠る。

 消え行く記憶に浮かぶ君。


 降り続く雨、大地に溢れ、人は溺れ。2階目前、川となった道路上、僕の目前、流れるあなた。

 僕は驚き、かすかな勇気、もがき苦しみ、右手指し出し、アナタも指し出し、おぼれながらつながりあい、近づくあなたの体は熱い。


 ポケットからこぼれる思い出、あなたはその手でしっかり受けとめ、光り輝き姿をかえて。


 再び出会ったこの日。勇者気取りで飛び込み、助けることができずに助けられる。

 消え行く意識に浮かぶ君。


 眠り続ける僕、大地は静まる、人は働く。2ふつか目前、ベッドとなった道路上、僕の目前、見守るあなた。

 僕は驚き、かすかな意識、力ふりしぼり、右手指し出し、アナタは握り返し、眠りながらつながりあい、伝わるあなたの想いは熱い。




60人目『訪れる男』


がんばっているあなたへ。


とても楽に目的地まで行ける車をあげようか。


それとも、すぐにでも欲しいものが手に入るお金をあげようか。


あなたは静かに首を振る。


ならば、小さな幸せをあげましょう。


するとあなたは泣くでしょう。


なぜならそれは、この世に溢れているのだから。


知らずに生き、いま初めて気づいたのでしょう。


こんなにたくさんの幸せに囲まれて、


あなたは嬉しくて泣くのでしょう。


そして、私は行くでしょう。


回りも見ずに、シャカリキにがんばる


あなたのもとへ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ