第123話:六大資本の「絶対的合同運用(メガ・シンジケート)」! 冬の遊園地と、愛のハイパーインフレパレード!
1. 09:00:市場開場! 「巨大合同カルテル」の集結
「いいか高坂、よく聞け! 月曜から土曜まで、お前は六大資本それぞれの『完全非公開市場(個別独占)』という名の地獄(天国)を生き抜いてきた! だが、本当の恐怖はここからだ! 今日、日曜日は……六人全員が結集し、お前という一つの銘柄を同時多発的に運用する『絶対的合同パレード(メガ・シンジケートの行使)』の日だ!!」
冬の冷たい風が吹き抜ける、日曜日の中央駅前広場。
俺、高坂優人は、寒さとは全く別の理由でガクガクと震えながら、インカムから響く親友・佐藤の絶叫を聞いていた。
「お前は月曜から土曜までの間に、彼女たち全員と『絶対に逃がさない(完全買収)』という恐ろしいコミットメント(キス)を交わしてしまった! つまり今の彼女たちは、全員が『自分が筆頭株主である』という絶対的な自信に満ち溢れた、最強の強気相場状態にある! そんなバケモノたちが六人同時にぶつかり合った時、市場がどうなるか……俺にはもう計算できない!」
佐藤が匙を投げた直後、広場に横付けされた数台の高級車(カレンとオリビアの手配だろう)から、一斉に六人の少女たちが降り立った。
「……おはよう、優人くん。今日のあなたのポートフォリオは、私たち六人で『完璧』に構築してあげるわ」
最高級のカシミヤコートを羽織り、女王の風格を漂わせる神宮寺カレン。
「高坂くん、マフラーが曲がっているわ。今日の合同監査、一秒たりとも気を抜かないようにね」
清楚な白いダッフルコートを着こなし、俺の首元を直してくる四宮アリス。
「優人くん! 寒くない? 休憩用の温かいお茶と手作りクッキー、ちゃんと持ってきたからね!」
モコモコのニット姿で、巨大な保温バッグを抱えた幼馴染の橘ひまり。
「にひひ、先輩! 今日は誰のお隣を一番長くキープするか、見ものですわね!」
ショートパンツに黒タイツという、冬でも攻めの姿勢を崩さない七星くるみ。
「……周囲のノイズ(一般客)は、私のハッキングで可能な限り排除済みよ」
オーバーサイズのテックウェアに身を包み、タブレットを操作する如月ミア。
「Oh, ユウト! 日本の冬は寒すぎるわ! 私の体温で、あなたの心臓ごと温めてあげる!」
大胆なスリットの入った真紅のロングコートで、周囲の視線を独占するオリビア・サマーズ。
六者六様の極上の冬服ファッション。そして、全員から放たれる「私が一番よ」という強烈なストップ高のオーラ。
駅前広場の一般客たちが、モーセの十戒のように道を空け、唖然としてこちらを見つめている。
俺の、逃げ場のない「大合同決算」の幕が、今、切って落とされた。
2. 11:30:六方向からの「同時多発的・利益供与」
俺たちがやってきたのは、関東最大級の巨大アミューズメントパークだった。
だが、その実態は「遊園地デート」などという生易しいものではない。
「優人くん、右腕は私の指定席よ。……昨日の南の島での出来事(外資の介入)を、私の資本力で完全に上書き(オーバーライト)してあげるわ」
カレンが俺の右腕にガッチリと腕を絡ませる。
「Oh, カレン! ドメスティックな資本では、私の残した『グローバルな熱』は冷ませないわよ! ユウト、左腕は私がもらうわ!」
オリビアが俺の左腕を豊かな双丘で包み込む。
両腕をメガ資本にホールドされ、身動きが取れなくなった俺の正面に、アリスとひまりが回り込む。
「高坂くん、口を開けなさい。歩きながらの栄養補給は風紀のグレーゾーンだけれど、私が許可するわ」
アリスが少し照れながら、俺の口に甘いチュロスを運んでくる。
「アリス先輩、それじゃ甘すぎるよ! 優人くん、こっちの特製ホットココアも飲んで! はい、あーん!」
ひまりが保温ボトルからカップに注いだココアを、俺の唇に押し当ててくる。
さらに、俺の背後からは……。
「……優人、心拍数が高すぎるわ。背中から私の冷却ファン(体温)を当ててあげる」
ミアが俺の背中にピタリと張り付き、首元に冷たい鼻先をすり寄せてくる。
「にひひ! 後方支援はベンチャーの得意分野ですわ! 先輩、私のコートのポケットの中で、手、繋ぎましょう?」
くるみが背後から俺のコートのポケットに手を突っ込み、俺の指に自分の指を絡ませてくる。
右、左、前、後ろ。
六方向からの完全包囲。六種類の極上の香りと、六人の体温。
「タイムシェア」の期間中にそれぞれと交わした濃厚な「秘密の契約」の記憶がフラッシュバックし、俺の脳内CPUは処理落ち(フリーズ)を繰り返していた。
「……佐藤、助けてくれ。俺、もう自分が歩いてるのか宙に浮いてるのか分からない……」
『耐えろ高坂! 彼女たちは『六人で共有する』というカルテルを結んではいるが、心の中では『私が一番(筆頭株主)だ』と一歩も譲る気はない! 誰か一人にでも偏った対応をすれば、バランスが崩壊して市場が焼け野野原になるぞ! 全員に平等に、かつ120%の愛(配当)を返し続けろ!!』
無茶苦茶な要求だが、やるしかない。俺は白目を剥きそうになりながらも、六人の愛という名の「超高圧プレス機」に耐え続けた。
3. 15:00:大観覧車(VIPルーム)での「沈黙の牽制」
午後になり、俺たちはパークのシンボルである巨大な大観覧車に乗ることになった。
カレンとオリビアの財力を結集し、通常は6人乗りのゴンドラを、特別仕様の「超VIP大型ゴンドラ」にすり替える(どうやったんだ)という暴挙に出た結果、七人が一つの密室に収まることになったのだ。
ゆっくりと高度を上げていくゴンドラの中。
円形のソファの中央に俺が座り、俺を完全に包囲するように六人が座っている。
外の景色は美しい冬の空だが、車内の空気は、カミソリのように鋭く、そして重かった。
「……それにしても」
カレンが、扇子をパチンと鳴らして口を開いた。
「この一週間、皆さんそれぞれ『有意義な個別監査』を行えたようね。……優人くんの表情を見れば、大体分かるわ」
「ええ。……少なくとも、私は『私の役割』を完璧に果たしたつもりよ」
アリスが、火曜日の副会長室での出来事を思い出したのか、少し顔を赤くしながら胸を張る。
「わたしも! 17年の実績の重み、優人くんにしっかり分かってもらえたもん!」
ひまりが俺の袖をきゅっと掴む。
「にひひ、後発組だからって油断してると、足元(路地裏)をすくわれますわよ?」
くるみが挑発的に笑う。
「……データの同期は完全に終了しているわ。私のシステムは絶対よ」
ミアが静かに、しかし絶対の自信を持って呟く。
「Oh, みんな可愛いわね! でも、海を越えた『クロスボーダー契約』のスケールには勝てないと思うけれど?」
オリビアが余裕の笑みでウインクする。
六人が六人とも、「自分が一番深いところまで彼を落とした」という確信を持っている。
俺は冷や汗を滝のように流しながら、誰とも目を合わせられずに床を見つめていた。
(……全員とキスしたなんてバレたら、俺、この高度から東京湾に沈められるんじゃないか……!?)
だが、彼女たちは賢かった。
お互いが「切り札」を持っていることを薄々察しながらも、あえてそれを口に出してカルテルを崩壊させるような真似はしなかった。
「……まあ、いいわ」
カレンがふっと表情を和らげ、俺の肩に優しく寄りかかってきた。
「私たちは、もう争わないって決めたもの。……卒業(第150話)という、最大の『市場の解散』が来るその日まで。……優人くん、あなたは私たち全員の『共有財産』として、責任を持って私たちを幸せにする義務があるのよ」
カレンの言葉に、他の五人も深く頷き、次々と俺に身体を密着させてきた。
観覧車が頂点に達し、冬の澄んだ空の下、俺は六人の美少女の重すぎる愛(時価総額・無限大)に完全に押し潰されながら、ただただ幸せな悲鳴を上げるしかなかった。
4. 18:30:イルミネーションと「永遠のポートフォリオ」
日が完全に落ち、遊園地は光り輝く冬のイルミネーションに包まれた。
パレードの光が七色に輝く中、俺たちは巨大なクリスマスツリー(まだ11月だが、パークの気が早い)の前に立っていた。
「……綺麗だね、優人くん」
ひまりが、俺の手に自分の手を重ねながら呟く。
「ええ。でも、私たちの『未来』の方が、もっと輝いているはずよ」
アリスが、俺のもう片方の手を握りしめる。
「卒業まで、あと数ヶ月……。あっという間かもしれませんわね」
くるみが、俺の背中に回り込んでコートにしがみつく。
「……時間が限られているからこそ、データ(思い出)の価値は上がるのよ」
ミアが、俺の肩にコトンと頭を預ける。
「Oh, ユウト! 卒業しても、世界中どこへだってあなたを迎えに行くわ!」
オリビアが、俺の首元に腕を回す。
そして、カレンが正面に立ち、俺の瞳を真っ直ぐに見つめた。
「優人くん。……私たちは、あなたという銘柄を絶対に手放さない。あなたが卒業式の日、最終的に誰を『筆頭株主』に選ぶのか……それとも、全員を抱え込む『大資本家』になるのか。それはあなた次第よ」
カレンは妖艶に、そして誰よりも愛おしそうに微笑んだ。
「でも、それまでは……この六人の愛のハイパーインフレに、とことん付き合ってもらうわよ。……覚悟はいいかしら?」
六つの瞳が、俺を完全にロックオンしている。
もう、逃げ場なんてない。いや、逃げるつもりなんて最初からなかった。
「……ああ。望むところだ。お前ら全員の莫大な投資、俺が一生かけて『ストップ高』で返し続けてやるよ!」
俺が力強く宣言すると、六人は一斉に最高の笑顔を咲かせ、俺に向かって同時に飛び込んできた。
光の洪水の中で交わされる、六大資本による究極の「同時抱擁」。
俺の身体は完全に押し潰され、呼吸すらままならない状態だったが、その心は、世界中のどんな億万長者よりも満たされていた。
5. エピローグ:卒業(上場ゴール)へのカウントダウン
「――おい高坂……。聞こえているか……」
帰り道、俺のインカムから、佐藤の静かな声が響いた。
「お前のバイタルデータは、人間の限界を超えた。……六大資本の『同時独占パレード』を生き抜いたお前は、もはや学園という市場における『神(絶対的指標)』になったと言っても過言ではない」
佐藤の声が、ふと真面目なトーンに変わる。
「だが、忘れるなよ。季節は冬……。第4四半期(最終章)はすでに始まっている。学園生活という名の市場が閉まる『卒業式』まで、残りあと数ヶ月……話数にして、あと30話弱だ」
俺は、前を歩きながら楽しそうに笑い合う六人の少女たちの背中を見つめた。
カレン、アリス、ひまり、くるみ、ミア、オリビア。
彼女たちと過ごした狂乱の日々は、間違いなく俺の人生における最大の「バブル」であり、最高の宝物だ。
「これからは、卒業という『未来(上場ゴール)』に向けた、本当の意味での総決算が始まる。……高坂、お前の人生のポートフォリオを、後悔のないように完成させろよ」
「……ああ。分かってるさ、佐藤」
冷たい冬の夜風が吹き抜ける中、俺の胸の奥では、彼女たちから受け取った莫大な熱(愛)が、マグマのように燃えたぎっていた。
俺のせいで学園一の美少女たちの株価がストップ高なんだが。
――この史上最大の狂乱相場は、最終目的地に向けて、休むことなく最高値を更新し続けるのだった。
(第123話・完)
本日の市場ニュース(特別決算号)
【市場の完全飽和】六大資本による『大合同パレード(メガ・シンジケート)』完了!: タイムシェア協定を終えた六人が一堂に会し、高坂優人に対して「同時多発的な利益供与」を実行。互いを牽制しつつもカルテルを維持し、高坂を「完全なる共有の神(絶対的資産)」として祭り上げることに成功した。
佐藤のアナリスト・レポート: 「六者六様の『個別独占の余韻(キスの記憶)』を抱えたまま行われた合同パレードは、まさに一触即発の火薬庫であった。しかし、彼女たちは争うことよりも『卒業まで高坂を囲い込む』という利益を優先した。投資家諸君、ここから先は『卒業(第150話)』に向けた、人生を懸けたカウントダウンである」
高坂優人の現在の状況: 六方向からの尋常ではない密着と愛のプレッシャーを受け続け、理性が完全に宇宙の果てへ到達。「……俺、もうこの六人と一緒に一つの国を建国するしかないな」と壮大な覚悟を決める、究極にして不可逆の『六大カルテル・永久信託障害(無敵状態)』を絶賛発症中。




