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第五十五話「リストの正体」

 ぼくたちは部隊の車でリストの屋敷にきた。


「なっ!!」

   

 屋敷から黒い雲が浮かぶと遠くに移動していく。


「あれは雲...... いやカラスか!」


『まさか、星幽石を移動させているのか!!』


 カイル隊長が車を引き返そうとすると、そこには無数の人影が現れた。 その目は虚ろでおそらくディシーストだった。


「だめ! 前後左右囲まれてるわ!」


「はめられたな。 カイル隊長、ここはライミーアさんと俺でやりますから、車を出してください!」


「わかったシュリエ」


 ライミーアさんとシュリエさんが車からおり前に道を開ける。


 車が勢いよくその間を抜けた。 カラスをおい車を飛ばす。


「こっちは...... 議事堂にもっていくつもりか」


 ドンッ


 すごい衝撃で車が横転し、木にぶつかった。


「ぐっ、なんだ!」


「大丈夫か! 二人とも外にでるぞ」


『ああ...... なにかいる!』


 外にでると、そこにはフードを被ったリストがいた。 


「残念...... 死んでなかったみたいね」


「あの姿は、真人教の星幽石を集めていた!?」


『ああ、リジェクトと真人教のときいた二人! あれはリストだったのか!』


「ええ、あの時殺しておけばよかったわ』


「お前もディシーストだったのか。 なぜこんなことをするんだ」  


「あの方をよみがえらせることで人間を正しい道へと導くのよ」


 そうほほえむ。


「正しい道......」


「嘘偽りない人間がいる、そういう世界......」


『お前の作った新聞なんて嘘ばかりだろうが』


「私は人間ではないわ。 人間達のためにそんな世界が必要なのよ。 だからお前達も私たちもこの世界には必要ないわ。 彷徨える魂よ、我が声に答えよ」


 リストの影からガサガサと音がして大きくなると、それは車のような巨大なムカデだった。


「なんだあの大きさ!? あれで車を持ち上げたのか!」


「食い殺しなさい......」


 ムカデがこちらに向かってくる。


「彷徨える魂よ、我が声に答えよ。 金隼ゴールドファルコン金獅子ゴールドレオ


 カイル隊長の金の隼が巨大なムカデを貫いた。 それはバラバラと小さなムカデとなった。


「クルス、ミーシャ! 今のうちに議事堂までいくんだ!」


 金のライオンにのり、ムカデ達を抜ける。


「はい!」


『隊長、死ぬなよ!』


「当然だ! 俺はお前たちの隊長だぞ!」


 そう後ろから声がする。


 ぼくたちはライオンを降りてはしった。



「これは......」


 首都につくと、群衆が大声をあげて行進しているのがみえた。 政府への弱腰を非難するものたちだった。


『まずいぞクルス! 制服をぬげ!』


「ああ」


 ぼくは茂みに制服を脱ぎすてた。


 そして群衆に紛れて、議事堂までむかった。 議事堂を市民が取り囲み、軍が銃で威嚇している。


「すごい怒りだ。 もともとあった政府への批判がこんな形で噴出するなんて、新聞に煽られたのか。 だが、このままでは軍と衝突して被害がでる」


『それが目的かもな。 ここで軍が発砲でもして死人がでたら、この国各地で暴動がおきる』


「おい! こっちだ!」


 エルダリィーさんが建物の横から呼んでいる。


「エルダリィーさん!」


『ここにいたのか』


「ああ、カイル隊長からいわれてね。 政治家たちをはっていた」


「他の部隊員は?」


「各地に飛び火しないように、暴れている奴らを鎮圧して回っているようだ。 それで今どういう状況?」


 ぼくたちはここまでの事情を話した。


「なるほど、......さっきの異常なカラスの群れは星幽石を運んできたのか」


「それに、このままだと、この国に内乱がおきてしまいます」


『一体どうすればいいんだよ』


「まずは、議事堂に白き聖者ホワイトセイントがいるはず、そいつがそのメシアとか言うやつを甦らせようとしてるのを阻止しよう。 こっちは、他の部隊や警察や軍に任せるしかない」


「でも、あんな囲まれていては中にはいれない」


「こっちだ。 むかいながらはなそう」


 そういうとエルダリィーさんは、ぼくたちを裏路地へと呼んだ。



『こんなところに来てどうする? 中にはいりたいんだぞ』


 暗い人通りのない細い路地をとおりながら話をする。


「戦争やテロが起こったときの場合のため、地下にシェルターをつくっているんだ。 そこにいく」


「そんなものが......」


『自分たちだけかよ』


 不満げにミーシャがいう。 ぼくたちは下水におり通路をあるいていた。


「まあそういいなさんなって。 あんなのでも国を動かすには必要だ」


「それで白き聖者ホワイトセイントは誰なんですか。 やはりシニアですか」


「多分そうだね...... リストと繋がっていたし、それに戦争を求めていたからね。 ここだ」


 下水の壁に厚いドアがある。 鍵がかかってるようで開かなかった。


「駄目だ開かない」


「まあ、ここは関係者しかしらない。 中からしか開けられないようになっている。 まってて、彷徨える魂よ、我が声に答えよ【針金虫】《ヘアワーム》」


 エルダリィーさんが指輪をドア向けると、指輪が細く長く動き、隙間から中へとはいっていった。


『うえ、気持ち悪い』


「そんな言い方しないでよね。 よし開いた」


 ドアが開くと、中へとむかった。


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