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おい今度の救世の乙女は何だか想定外だな?〜誰に理解されなくてもあたしは信じた道を進むことにした〜  作者: 夜朝
第2章 〜生きてこそ得られる幸せってあるでしょ〜

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第2章 その31

よろしくお願いします。。。

 守護者(ガード)たちは、にわかには信じられないと一様に眉をひそめたが、エティだけは周辺を探して視線を左右にさまよわせた。


 そうして森の奥に岩場があるのが彼女の視界に入ってくるのと、キーペがそこを指さすのとがほぼ同時だった。


 岩場は規模としては小さくて、たとえ子どもでも立ち入れるような洞穴はない。


 精霊神の儀礼具のパーツが見つかったと言って集合させた守護者の中で最も背の高いウードが横に立つと、その岩場のてっぺんは彼のあごくらいの高さにあった。


「苔が生してて木風の精霊力が盛んだ。

 ぼくには月闇の精霊力は感じられないな」


「たぶんソイル様もここにいれば同じですよ。

 ボクもちょっと分からないです。

 この岩から金剛の力が、わずかですがにじんでるみたいで。

 どうもそっちに気を取られちゃって」


 守護者兄弟は早々と降参の意を表した。


 探知能力はキーペが高いから守護者たちは分からなくても良いのだとか。


 若干、危険な気配がする持論をふたりに聞かされたエティは、そのままなかなか救われない。


「俺も分かんね。昼間は陽射しが暖かいからな」


「はは。一番分からないのは間違いなくオレだぜ。

 雪だらけで気ぃ取られて」


「まあいつものことではありますが。

 もしかしたらエティ様は慣れれば分かるようになるかもしれませんね。

 今のところはそこだと思います。その一番大きい穴」


 キーペはもう頼れるものがいない状況に慣れてしまっているようで、彼らの反応を何ということもなく受け入れてうなずいている。


 エティは困り顔で笑って岩場の穴を指さした。


「分かるようになればいいけど……どうかしら。

 で? それじゃあここにあるってこと? 一番大きい穴」


「「おい!!」」


 無造作に目の前にある大穴に右手を突っ込んだエティ。


 それをとどめようと声を張り上げたのはひとりではなかった。


 彼女の一番近くにいたキーペが必死の形相でその手を岩場から引き離した。


 しかし時はすでに遅かったのだ。


「っ……」


「大丈夫ですかエティ様!?」


 痛みに顔をしかめたエティの様子に最悪の状態を想像して彼女の右手をあらためるキーペ。


 その手首からは血が流れており、三本あるバングルのうちの一本に傷がついていた。


「「──っ!!」」


 驚愕に目を見開いたのはエティの右手に対になる精霊環を装着されている三人の守護者たちだった。


「ご、ごめんなさい……油断だわ。

 誰の? バングル。大丈夫? みんな。

 どこか傷めてない?」


「……あ、いや。オレは大丈夫だぜ。

 ウードとゴルドは?」


「ぼくも無事だよ。ということは……」


「ボクです。まだ開通前だから助かったみたい」


「本当に? 大丈夫なのかゴルド!」


「大丈夫だよ兄さん。もしダメならとっくの昔にたおれてる」


「良かった……何かあったらすぐ言えよ」


 キーペに止血されて包帯を巻いてもらっている間、エティはその兄弟愛を見つめながら、もっと気を付けなくてはと気を引きしめていた。


「ありがとキーペ。本当にごめんなさいねゴルド。

 ねえ、でもこのバングル、何か直す方法はあるの?

 傷ありのままじゃ開通できないわけでしょ」


「ええ。神殿でゴルド様が寝ておいでだった棺を覚えていらっしゃいますか?

 あれに入れておくと直るんです。

 ただ、傷の大きさや深さによって修復にかかる期間には差があります。

 どのくらいで元に戻るかは分からないんですよ」


衛士の反感は買うわバングルは傷付けるわでなかなか役立たずなエティさん。

挽回の機会があればいいのですが。


ここまでお付き合いいただきありがとうございます!

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