第2章 その25
よろしくお願いします。。。
エティは左手首につけている二本だけでなく右手首にある五本も確認した。
だが、光っているのは先ほどフィーレと精霊力をつないだバングルに付いているルビーだけだ。
まるで炎が燃えているような、情熱的な赤い光。
それはエティに、フィーレから至近距離で見つめられているような気分をもたらして、少し彼女に胸の高鳴りを覚えさせた。
彼女は首を振りながら手元を覗き込んでいた顔を上げる。
冬の冷気が戻ってきており、少し熱くなっていた頬に冷たさが心地よい。
エティはキーペのほうを見て首を傾げた。
「精霊力が開通すると光るの?
でも、リヒトの石も今は光ってないわよね。
これ覚えてるわ。
儀式の前は普通の透明な石だったのに、いつの間にか金の針が中に入ってる」
「ええ。日光の石はルチルクォーツと言って、眠っている間は透明なのですが目覚めると内側に金針が現れるんです。
目覚めの前と後とで見た目が変わる石がほとんどですから、少しややこしいかもしれませんが……。
エティ様が扱うのは目覚めた後の石が多いので、大丈夫だと思いますよ」
うん。とエティがうなずくとキーペが常の通りの穏やかな笑みを浮かべた。
少年神官が説明の続きを語り出す。
「それでですね、バングルの飾り石は護り石とも呼ばれてまして。
救世の乙女と守護者とが、精霊力をやり取りできる距離にいる間だけ光るんです。
今、開通した守護者の中で、その距離にいるのはフィーレ様だけなので、火熱の護り石だけ光っているんですよ」
「きれいね? 全員そろったら圧巻でしょうね」
キーペとフィーレ、ワーテルは見たことがあるのだろう。
めいめいがその光景を思い出しているような、遠い目に憧れを映すような顔をしている。
その様を見たことがないエティと少年衛士は、ふたりして首を傾げた。
三人に視線を転じてエティが言う。
「良いなぁ。あたしも早く見たいわ。全部が光ってるとこ」
「職業持ちは探索に出てこないことも多いですから。どうしても全員分がそろうのは、まれになってしまうんですよね」
微笑みに苦みを混ぜてキーペが言う。
その後をフィーレが引き取って続けた。
「心配すんな。少なくとも救世の儀式には全員参加すっからよ」
「ええ? 最後の最後までおあずけ?」
心配すんなと言われても、ありがたくない。
そんなエティの様子を見て、ワーテルが釘を刺してきた。
「おいおい。そもそも守護者が揃うのはそんな良いことばかりじゃないんだぜ?」
「え? なんで──あたしがあんたたちを覚醒させた時は一緒にいたじゃない?」
今回は設定語りしちゃってます。
でも護り石、シチュによってはキーアイテムになりそうじゃないですか?
問題は活かせるかどうかですよね。覚えておかないと。
ここまでお付き合いいただきありがとうございます!




