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おい今度の救世の乙女は何だか想定外だな?〜誰に理解されなくてもあたしは信じた道を進むことにした〜  作者: 夜朝
第2章 〜生きてこそ得られる幸せってあるでしょ〜

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第2章 その24

よろしくお願いします。。。

 どうすれば、精霊力はコントロールできるようになるの?


 エティは大気に宿っているはずの精霊たちへ祈りを捧げた。


 ──お願い。お願いだから鎮まって。

 皆のことを助けたいの。

 それはこの世界の安定を取り戻すためでもあるわ。

 あなたたちだって、それを望んでいるのでしょう?

 だからあたしたちに力を貸して──


 ふわりと炎が揺らめいた。


 幾重にも折り重なっていた火の壁が、一枚一枚その姿を消していく。


 やがて最後の一枚になった。


 すると、それは(ほど)けて布のようになり、ふたりの周囲をくるくると回転してから、フィーレの左手首へと吸い込まれるかのように集まっていき──太めのバングルを形作った。


 フィーレの口角が上がる。


 彼は意気揚々と声を張った。


守護者(ガード)・フィーレ! 我が名にかけて、御身に忠節を!」


 冬場の屋外には心地良い熱風が、きらめきながらふたりの周囲を駆け巡っていく。


 晴れ晴れした笑顔を交わしたふたりは、解いた左手のひらをぱちんと叩き合わせて、互いの健闘を讃え合った。


「やったなエティ! 上出来だ!

 これでもう残りの奴らも安心して儀式に臨むだろ」


「フィーレのおかげよ。ありがとね、ねばってくれて」


「……へへっ。どうってことねぇよ、あれくらい」


「ふふ。頼もしい」


「すげえ。ただごとじゃないぜ。

 真夏みたいに地面が見えてる。今真冬だぜ?」


 わずかに残った雪の塊を踏み越えてワーテルたちが近付いてきた。


 エティとフィーレの足元はもう溶けてしまって雪が残っていない。


 困り顔で笑いながらエティのすぐそばまでやってきたキーペはワーテルに言った。


「まるで沸騰している時のお堀みたいですよね」


 キーペがお堀と呼ぶのは、エティが住んでいるあの小ぢんまりした城のような建物の周辺を囲っている、あの水路のことだ。


 ──あれ沸騰するんだ……


 足湯にしたら良さそうだと思っていたエティだが、やめておくことにした。


 微妙な表情を浮かべているエティを見てキーペが首を傾げる。


 目ざといキーペに手を振って何でもないと告げるエティ。


 何でも言ってくださいよとキーペが返した。


 その後、彼は思い出したかに、そうそう。と前置きして続ける。


「エティ様、ご覧になってください。

 左手のバングルです。

 フィーレ様と対になってるほう。

 分かりますか? 他のバングルの飾り石と違って、それだけ光ってます」


「まだ辺りが明るいからちょっとよく分かんないわね?

 ああでも、そうね。手暗がりにすると──うん。光ってるわ。

 これだけ? みたいね」


めでたく二人目の開通の儀は無事に成功しました。

三人目は少し間を空けて実行します。


ここまでお付き合いいただきありがとうございます!

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