幕間〜プロローグから第1章、その2〜
よろしくお願いします。。。
「はは。ぼくは下は十歳から上は六十まで守備範囲さ」
「サイアクだ」
「あいつ最悪だ」
ウードと呼ばれた長身の青年は背中に垂らした長い髪を楽しそうに揺らして笑った。
最悪と言われてもどこ吹く風だ。
やや垂れ気味な目元は笑うとどことなく色っぽい。
彼は明らかにからかいの口調で言った。
「何だい、うらやましいなら素直にそう言えば良いのに」
「「うらやましくない」」
少しウードから距離を取っている二人の青年は、ウードよりも年嵩に見えるが、こと女性の扱い方に関しては完全に負けていることからくる劣等感を飲み込んで今日も二人でつるんでいる。
片方は三十前後と見えてここに集まっている守護者の中では一番年上だ。
背は低めだが骨格はしっかりしており、頼もしい外見をしている。
青い髪が目に鮮やかだ。眼鏡をかけているのは七人中で彼だけである。
仲良しこよしのもう片方は、切れ長の目を鋭く細めた神経質そうな面立ちをしている。
平均的な身長と体格。
小さな水晶玉をヘッドにしたペンダントは占いの道具だ。
「さて。今度の乙女には何をプレゼントしようかな? 何が喜ばれるか占ってよソイル」
「本人に聞くべきだと水晶玉は言っているぞ、ゴルド」
「ソイル〜けち!」
髪も肌も白金色の少年がふっくらした頬を更にふくらませて文句を言った。
彼が不機嫌そうに上下に揺れると天然パーマの髪の毛が照明に照らされてキラキラと輝いた。
まだ背も低く華奢な少年は女の子と言われても疑われないだろう。
ゴルドと呼ばれたその少年へ向けて青い髪の青年が問いかける。
「別に無理に何か贈る必要ないだろう? ゴルド」
「そんなこと言ってるから君はいつまで経っても乙女から選ばれないんだよワーテル。贈り物をされて嫌がる女性なんていないんだからね?」
「そうだろうか。女性としてひとくくりにできるほど一個の人間の価値観は……」
「また始まった。ぼそっと否定するんじゃないよソイル!」
「さあさあ皆様。おしゃべりはその辺になさって、いつものように新たな乙女に祝福を授けてください」
なんというか幕間ってこんなに長くていいんでしょうかね。
あと登場人物が多すぎやしないかと思って心配してます。
プロローグだけ特殊で、1章からはひとつの章にひとりの守護者、くらいにしようと思ってます。