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おい今度の救世の乙女は何だか想定外だな?〜誰に理解されなくてもあたしは信じた道を進むことにした〜  作者: 夜朝
第1章 〜寝て起きたら、もうそこは異世界だったの〜

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第1章 その9

よろしくお願いします。。。

「それはそうと。ねえキーぺ。

 もしかしてこの国にはお風呂の風習はないの?」


「何ですかそれ?」


「ほら体を綺麗に洗ってからお湯に浸かって。

 疲れを取ってね。体を温めるの」


「体を洗うならシャワーがありますが。

 風習という意味では皆、夕方の一番暖かい時間帯に浴びてます。

 体を温めるのならサウナがありますよ。

 こちらはいつでもご利用いただけます」


「お風呂ないのか〜残念。

 さっき建物の中を軽く見せてもらった時、湯舟がなかったから予想はしてたけど」


「ゆぶね?」


「うん。お湯に浸かるってさっき言ったでしょ。

 小さいプールみたいなものにお湯を入れて、そこにね、ざぶんと入るのよ」


「たぶんすぐに冷めてしまいますね。

 サウナで代用なさってください」


 はぁい。と、良い子の返事をして椅子から降りるとその流れで食器を片付けようとするエティ。


 それをキーぺが止めた。


「ぼくの仕事が無くなってしまいます」


「別に良いのに。救世の儀式についてのお役目だけでも充分、元が取れると思うわよ」


「……ああ、言葉が足りなかったですね。申し訳ないです。

 ぼくの『楽しんでできる』仕事が無くなってしまいますから。

 ご勘弁ください」


 キーぺは甘く見ていたのだ。


 エティの(にぶ)さを。


「へえ、あんた家事が趣味なの?」


「……」


「あたしの故郷じゃ珍しいわ。

 それじゃ、お皿割らないようにね。ありがと」


『あなたのお世話が楽しいんです』


 そう言いたかったキーぺは、完全にタイミングを逃して、うなだれるしかなかった。


 * * *


 真新しいパジャマは厚手でふわふわした手触りが肌に優しく温かく、それだけでも充分ではないかと思えるほど快適だった。


 それでもキーペが言うには、ベッドの足元に暖気設備を仕掛けておかなければ、夜中に寒くて目が覚めてしまうほど、気温が低くなるとのことだった。


 エティの生まれ故郷とは正反対だ。


 彼女の郷里は今、温暖化を通り越して沸騰化が懸念されている。


 冬はなく春と秋があっという間に過ぎ去る世界。


 一年のうちの六分の五で冷房設備を必要とする世界なのだ。


 まだエティが幼かったころに一度だけ雪が降ったことがあった。


 だから冬の雪も知ってはいるが、ソリが必要なほどの大雪は見るのも初めてだ。


 実は雪に直接触ってみたかったのだが、キーペが厳しく止めるのであきらめたのだった。


 あんなに美しいのに、そんなに危険なのだろうか。


 手袋の上からでは雪の冷たさも、すぐに溶けていくはかなさも、よく分からなかった。


お風呂の風習は北欧あたりをイメージしてますが、これまでの歴代の乙女が既に導入させてても不思議じゃないですよね。

難しい!

ここまでお付き合いいただきありがとうございました〜。

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