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世捨て魔王  作者: R氏
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はぁ...竜?



「シャーーーーーッ!!」


 ドン! ドン!


 次の日の朝方、尋常じゃない振動によって俺は叩き起こされた。

 慌てて飛び起き下を見ると、全長10メートルはあるであろう大蛇が俺の寝ていた巨大な土の柱に体当たりをしているところだった。


「――おいおい……普通こういう時って小鳥のさえずりとかで起きるもんなんじゃねーの?」


 そんな愚痴をこぼしながらも筋肉痛で痛む身体にムチを打ち起き上がる。 

 当然だが寝起きは最悪だった。こんな起こされ方をしたのは世界広しと言えども俺1人くらいなものだろう。

 元来寝起きの良い方では無かった俺の機嫌は控えめに言って最悪だった。


 周りが森だとかそんな事を考える間も無く、即座に炎の槍を20個程具現化させた俺はそれらを蛇に向け放つ。

 突如として天から降り注ぐ炎の流星。それらをその一身に受け、ずたずたにされた大蛇はそのまま槍が刺さった箇所からの発火に身を包まれながら轟音を立て地に伏した。


「――はぁ…だりぃ」


 なんで起きて5秒でこんな戦闘をしなくてはならないのか。未だ止まる事を知らぬ己の不運に嘆きながらも、俺はある違和感に気付く。


 (――――レベルアップしない…?)


 ただ今の大蛇が弱かっただけという可能性も考えたのだが、どう控えめに見ても今の大蛇は昨日の赤虎よりも強そうに見えた。

 不審に思った俺は再度下の様子を確認してみる事に。すると大蛇は先程見た光景と変わらず、地に伏しながら燃え続けている。

 

 だがよくよく見てみると大蛇の傷口が煙を立てながら異常な速度で回復しているのが見えた。


「――――あれは……高速再生ってやつか?」


 つくづくこの森の魔物のレベルの高さに嫌気が差す。どいつもこいつも一筋縄では行かない魔物ばかりだった。


「めんどくさいなぁ…。じゃあこれで――いいんだろ?」


 いくら相手が未知の能力を使う光景を見たとしても俺のいる場所は絶対安全圏。その為俺は特に慌てる様子も無く気だるげに、最初に赤虎を倒した時と同じ様にして蛇を消滅させる。

 流石に体が消滅してしまっては再生も出来ないらしく、辺りはようやく久方ぶりの静寂に包まれた。


【LVが上がりました】


【「高速再生LV1」を取得しました】



 (――――――は?今のってまさか...)


 急いでステータスを出し確認する。




 【名 前】 ナガヒサ・レイア



 【年 齢】 18



 【職 業】 勇者?



 【レベル】 97



 【攻撃力】 800



 【魔 力】  960000



 【耐久力】 790



 【素早さ】 970



 【知 力】 999



 【幸 運】 10




 【スキル】 Realization (Exist Magic)


           (Exist Skill)


       悪食


       身体能力向上 LV 3


       魔力回復力向上 LV 5


       高速再生   LV 1





 (おいおいマジか…。魔物のスキルまで盗めちゃうのかよ俺は…いよいよもって化物じみて来たぞ…)


 そもそもの話だがまず魔物がスキルを持っていたという事実に衝撃を受ける。

 今まで出会ってきた魔物達の時にはこんな事は無かった。となるとスキルを保有しているのは上位の魔物限定だと仮定して考えるのが自然だろう。。


「――――これは……夢が広がるな」


 俺はこの世界にどの様な魔物がいるのかも全然知らない。だからこれから先どれだけ強力なスキルを手に入れる事が出来るのか想像すら出来ない。

 だが強い魔物が持っているスキルは軒並み強いモノが多いと見て間違いないだろう。


 (まぁ…その分キモいスキルも多そうだけど…)


 それともう1つ気付いたことがあった。

 ステータスを確認した限りではどうやらそれぞれのステータスの上限は999みたいだった。

 そうなるとレベルの方も99で頭打ちって事になるのかもしれない。


 だがその時俺は、つい先日のアルシェとの会話を思い出していた。

 アルシェは確かこう言っていた。「たかだかそのレベルで――」と、あの時の俺のレベルは78。

 もし99がMAXだと仮定するならば78は決して低くはないレベルの筈だ。

 

 (という事はもっと先がある…?それとも単純に78と99の差がとてつもなく広いモノだからアルシェはああ言ったのだろうか)


「謎が増えるな…。まぁ今考えてもしょうがないか。とりあえず99LVまで上げてみない事には始まらないな」


 一先ず自分の中でそう結論付け、俺は狩りを再開する為に柱から降り、再び森の奥へと歩き出した。






 それからしばらくの間、俺はひたすらに狩りを続けた。

 目算だが赤虎なんて50体以上は倒したんじゃないだろうか。それに加えて朝方の大蛇、1メートル弱の蜘蛛の大群、色々と殺したがやはりレベルは99で止まっていた。

 あれから手に入ったスキルも1つだけ。どれだけ足掻いてもこれ以上上がらないレベルに、正直ここが己の成長限界なのかと思い軽く絶望していた。


 (――――それでももしかしたらいつかレベル100になるかもしれない…)


 なんの根拠も無い希望的憶測をしながら俺はひたすらに狩りを続ける。

 そうして新たな獲物を探し求め森を散策していた時にソレを見つけた。



 ――――どこもかしこも魔物が跋扈しているこんな森に似つかわしくない、美しく澄んだ色をした水面。

 先程まで辺りを覆っていた黒ずんだ木々は存在せず、この場所にいる時だけはここがあの魔の森の中だという事を忘れてしまいそうになる程に綺麗な湖がそこにはあった。


「――――なんだこれ…。綺麗だな」


 素直な感想が自然と口から零れた。

 これは湖だろうか、海とまでは行かなそうな面積。心なしか形も円形に見えた。

 その美しさにしばらく目を奪われていた俺だったが――――ふと気付く。

 先程までは倒しても倒しても決して尽きる事の無かった魔物の襲来がピタリと止んでいることに。



「――ほう。ここまで1人で辿り着く事の出来る人間がいたとはな」


 突然、声が聞こえた。急いで辺りを見渡すが周りには誰もいない、人影どころか魔物の姿すら見当たらない。

 だが先程の連戦の際、唯一手に入れていた気配感知のスキルには反応があった。何者かが近くにいる事は間違いない。


 (……どこだ?――――――まさか…)


 そう思った時だった。水の中から『ソレ』がゆっくりと姿を現した。


 存在する事だけは知っていた。だが当然見た事なんて一度も無かったし、誰かがソレを見たなんて話も聞いた事が無かった。

 だから一種の伝説か、それとも人目に触れない様な遥か彼方の辺境にでも住んでいるのかと勝手に思い込んでいた。


 ――――そんな存在が今目の前にいた。


 今朝倒した大蛇とは似て非なるもの。いや、同じなのは形状だけであって似ているなんて思う事は失礼なのかもしれない。

 少なくとも俺には間違ってもそんな事口には出来なかった。


「人間がこんな所になんの用だ。答えよ」




 ―――――そこに現れたのは、美しい青色の鱗を纏った竜だった






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