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世捨て魔王  作者: R氏
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はぁ...上、だよね?



 帰りの道のりは行きの時よりも遥かに短く感じた。


(なんなんだろうな、これって)


 俺だけかな、例えばちょっと遠出する時とか旅行に行く時とかって何故か行く時よりも帰りの方が早く感じる気がする。単純に疲れてるからとかそんな理由なのかな。


 (まぁどうでもいいよね。なんかごめん)


 そんなこんなでレスティアの街に戻ってきた俺たちは受付にクエスト完了の報告をして、その後すぐに素材の買い取りをお願いする事にした。


「え、どうしてオークの魔石が混じってるんですか?皆さんが受けたのってゴブリン討伐のクエストでしたよね?」


「いやこっちが聞きてぇよ!ゴブリンの巣穴から出ようとしたら出口にオークがいてまじで焦ったんだからよ!」

「そうですね。僕らもわからないです…。戦う気は一切無かったんですけど出口の前にいたので戦わざるを得なくて…」


 オスロがそう言うと、ユーリさんは信じられない様な表情で


「よく倒せましたね…。オーク討伐のクエストは通常でしたらEランク冒険者がPTで受けるクエストなのに…」


「完全にレイアさんのおかげなんです!レイアさんがGランクとは思えないスゴイ魔法で動きを抑えてくれて……レイアさんがいなかったら本当に危なかったと思います!」


(いや魔法自体はただのファイヤーランスなんですけどね…)


 リーナの中でのレイア株急上昇が止まる事を知らない。


「そうなんですか?レイアさん?」


 驚いている様な疑っているかの様なそんな視線がユーリさんから送られてくる。

 そんな不正を疑われる様な素行をしてきたつもりも無いので大丈夫だと思うが、ユーリ側からすればわけのわからない状況になってしまうのも無理ない事だった。

 駆け出しの冒険者。それも初日から初級のクエストに失敗して失神して運ばれてきた人間が、次の日に更に難易度の上がったクエストで大活躍をするだなんて事、想像もつかないだろうから。


「いや、ただのファイヤーランスですよ……リーナちゃんちょっと落ち着いて?」


「だってその前のスゴイ数のファイヤーボールだって普通のGランクの魔法使いだったらあり得ない数でしたもん!!」

「まぁその辺にしとこうリーナ。とにかく―――これらの素材はいくらぐらいになりますか?」


 困っている様子のこちらに気付いてくれたのか、興奮するリーナをアスロがなだめて話を無理やりに進めてくれた。


「そうですね…ゴブリンの素材も結構な数ですので――――」


 そういってユーリさんが出したのは銀貨4枚と銅貨7枚だった。これとクエストの報酬を足して4等分すると……1人銀貨1枚と少しくらいだろうか。

 だが俺は元々のメンバーってわけでも無いし銀貨1枚ぐらい貰えればそれで十分に思える。

 ユーリさんから報酬を受け取った俺たちは、ギルドの中の酒場にあるテーブルを囲んで報酬の振り分けをすることに。

 アスロの性格的にこういうのは公平にしたがるだろうと思ったが、ちょうど全員で均等になるなんてそんな都合のいい事はなかなか無いだろうし端数の計算とかも面倒くさく思えた為、俺の方からアスロに向け助け舟を出すことに。


「俺は銀貨1枚貰えたらそれでいいよ。もともと俺はこのPTのメンバーじゃないし入れて貰えただけでかなり助かったからさ」


「そんなの悪いです!レイアさんが一番活躍したのにっ…。だったら私なんてほぼ何もしてないし私が一番少なくていいです!」


 正直こうなる気も多少はしていたのだが当然の様にリーナからの待ったがかかった。


(なんていい子なんだ…)


 だが回復役というのはかなり大事な役割だ。実際の活躍がどうこうよりもPTの中にヒーラーがいるかどうかが大事なわけで、ヒーラーがいる事でどれだけ前衛の二人の気が楽になるかは想像に難しくない。


「なに言ってんの。ヒーラーのリーナちゃんがいてくれるってだけでPTは凄く助かってると思うよ?ていうかヒーラーが活躍したらまずいでしょ。どれだけ前衛を酷使する気なの」


 笑いながらそう告げるがリーナに引く気は無さそうだった。


「じゃあまた俺が困った時にPTに入れてよ。俺この街の人間じゃないからさ、友達とか全くいないしそういういざって時に頼りに出来る人達がいるってのはスゴイ気持ちが楽になるんだ」


「もちろんだよ。なんならもう固定で入って欲しいぐらいだよ」

「俺もレイアならメンバーに入れてやってもいいぜ?」


 そんな事を言ってくれる彼らの気持ちに胸が熱くなる。


 (正直、彼らはめっちゃ良い奴らだ)


 だが――――冷たい事を言う様だが俺のスキル的に俺が強くなる為には彼等とじゃダメなのだ。

 俺はもっと強い奴らと知り合って色んな魔法を見て盗まなくてはならない。こんなスローペースでは魔王討伐がいつになったものか見当もつかない。

 だから俺が修行してもっと強くなった時には感謝の意も込めて彼等のレベリングでもしてあげようかな。なんて密かに思っていた。


 え、上から目線過ぎ?


 だって僕勇者ですし…...実際上でしょう?


 まぁ


 勇者?なんですけどね





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