はぁ...安心
「それはそうと今日はどんなクエストを受けるんだ?」
後になってから『黒くてデカい猪退治』なんて言われても困るから出発する前にしっかりと聞いておく。
もしまたあれと戦うというのなら俺の魔法じゃ効かないし迷惑をかける前に辞退しておかないといけないからだ。
(あ、また自信が…トラウマが…)
だが実際そんな俺の不安は杞憂だった様で
「今日はゴブリン退治に行こうと思ってたんだ。ただ多数のゴブリンと戦う事を考えたら魔法は必須だと思ったから募集を募って待ってたんだ」
「俺はよぉ。俺がいればなんとかなるって言ったんだけどよー。ほんとアスロは心配性が過ぎるぜ」
「そうなんだ。ちなみに俺はまだ戦った事無いんだけどゴブリンてどのぐらいの強さなんだ?ファイヤーボールとかでも倒せるのか?」
俺の知っているゴブリンは人型をした緑色の小さな魔物だ。ファンタジー系の大体の世界では雑魚キャラ扱いをされていた筈。
いやまぁFランクPTがやるクエストなのだからこの世界でも雑魚キャラ扱いなのだろうが、なんてったって俺はGランクだからな…。いくらゴブリンだろうと舐めてかかる事は出来ない。
――――魔法で倒せなかったらどうすっかなぁ……
「当たり前ですよレイアさん!そもそも魔法って言うのは基本的に剣とか弓よりも全然強い攻撃手段とされているんです。
まぁでもその分詠唱とかも必要だから咄嗟には使えないし、大体の人はすぐに魔力が切れちゃうのでほとんど使えないんですけどね…
だから今回魔法使いのレイアさんがいるのはすごく頼もしい事だし助かるんです!」
「あ、あぁそうなんだ――――そっか、なら役に立てそうでよかったよ」
(丁寧な説明ありがとうリーナちゃん……)
恐らく周りから見たらなんてことの無い様子に見えているだろうが内心はめちゃくちゃホッとしていた。
魔力量の関係もあって数も有限なくせにダメージまで低かったらそれこそ本当に存在意義が…って感じだしな。
だがファイヤーボール程度で倒せるのなら多分100体ぐらいはいけそうだ。
――――リーナちゃんが気を使って嘘を言ってない事を切に願う。
「じゃあ早速だけど向かっちゃおうか!僕たちはもう準備してからここに来てるんだけど、レイアの方はどう?」
「俺は魔法使いだし特に必要な物とかも無いからすぐに行けるよ」
本当は出来る事なら魔力ポーションとかもあったら心強いのだが、生憎今はそんな物を買う余裕があるのなら飯を食いたいぐらいのお財布状況なのだ。
だが初級魔法で倒せる様なら魔力が枯渇する様な事もそうそうは無いだろう。
「えー!レイアさん杖とか何も使わないんですか?!
あった方が魔力の量が増えたり魔法のダメージも上がったりするから絶対いいんですよ?」
「ばっかお前レイアはそんなぬりーもんに頼んねぇんだよ!それでこそ男の魔法使いってもんだぜ!なぁレイア!」
(えー…そんな効果あったんですかあれ…)
流石にただの飾りとまでは思っていなかったが、そこまで必要な物だとも思っていなかった。
だが冷静に考えてみれば十分納得の行く話だった。何故なら魔法使いらしき見た目をしてる者は大体何かしらの武器を持っていた様な気がするからだ。
(――――まぁ?別に知っててもお金無いからどのみち買えないんですけどね?)
「そ、そういう事!やっぱサニスはわかってるなぁ!」
「だろぉ?やっぱりこういう所で男と女ってのは一生わかりあえないもんなんだよなぁ」
なんだかスケールの大きな話になってきたみたいだが、このままじゃ俺まで女性批判してるみたいになりそうだしそろそろアスロの方に出発を促す事にした。
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