はぁ...あったけぇ
「レイアさーん!」
空腹と疲労がピークに近づき意識を失いそうになっていたその時、受付の方から俺の名を呼ぶ声がした。
慌てて声の方を見るとこっちに向かって手招きをしている受付のお姉さんと、その手前に3人の冒険者らしき恰好をした青年達がいた。
明らかに東洋人の顔では無い為あまり自信を持っては言えないが、見た感じでは皆が俺と同年代か少し下ぐらいの年頃に見えた。
「すいません…ぼーっとしてて全然気づかなかったです」
「結構待たせちゃったみたいですね…申し訳ないです。僕は一応このPTのリーダーをさせてもらっているアスロと申します。貴方がうちのPTに入ってくれるという魔法使いの方ですか?」
そう礼儀正しく声をかけてきたのは、綺麗なブロンドの髪を肩上程に切り揃えている如何にも女性にモテそうなパッチリ二重の好青年だった。
背中に弓を背負っているし彼はアーチャーやスカウトの類の職なのだろう。
「いえ全然そんな事無いですよ!――――そうです。でも…自分まだ冒険者になりたてのGランクなんですけど大丈夫ですか?」
正直に言おう。先程の出来事は俺の心に軽いコンプレックスを植え付けていた。だから後々に判明して気まずい空気にならない様、自分から先に伝えておく事にしたのだ。
するとそれを聞いたロングソードを持った赤髪短髪のちょっと不良入ってる感じの青年と、白いローブを羽織った見るからに僧侶って感じの金髪美少女が話に割り込んできた。
「俺らもほとんど駆け出しみたいなもんだし気にすんなよ!もしなんかあっても俺がいればなんとかなるしな!」
「そうですよ。誰だって最初は初心者なんだし気にしたら負けです!…でもなんかあってもサニスに任せるのはちょっと不安かも……」
「んでだよ!剣士が強ければ大抵の状況はなんとかなんだよ!」
「はいはいサニスもリーナも落ち着いて。いきなりそんなんじゃ絡みづらいPTだと思われちゃうだろ?」
なんだかわからない内に全員の名前がわかってしまった。
(こうなると一応俺も名乗っといた方がいいよな…?)
だが―――この人達は…なんだかスゴくいい感じだ。みんなで楽しんで冒険者をやっている様な感じがするし、この人達なら変な裏切りなんかを心配する必要も無さそうに思える。入れてくれると言うのなら是非ともお願いしたかった。
「自分はレイアって言います。じゃあもしもの時はサニスさんを頼らせて貰いますね」
「ため口でいいぜ!見た感じ年も近そうだし、一緒のPT組むって事は俺達もう仲間だろ?」
「そうですよ!よそよそしい感じは無しで初心者同士仲良くして行きましょう!」
なんだろう…この世界に来て優しさに飢えていたせいか。
――――優しさが胸に沁みる…なんだか泣きそうだ…
この人達となら楽しい冒険が出来るだろう。と何故か確信を持てた俺は笑いながら軽く頭を下げる。
「そうか。じゃあこれからよろしく!みんな!」
これが冒険者か――――うん。なんかいいなこういうの、すごいテンションが上がって来るのを感じる。
これから下手をすれば命の危険もある様な場所に行くというのに俺の心は温かい何かで少しだけ満たされていた。
俺に出来る事は全てする。そしてみんなの為に全力で頑張ろう。
口には出さず、心の中で一人そう誓った
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