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ぼっちじゃくなった元勇者は可愛い嫁と良い上司に出会いスローライフする。(終)

 しかし、オレは旅するうちに、人間社会への怒りが収まってきて、だんだんと冷静になってきた。


「すまん。事情も聞かずにお前を強引につれてきてしまった」


「いや、もう今さら……。というか、魔王の任から助けてくれて、ありがとう。それに、もう知り合いは誰も生きてないし、正直連れてこられて助かったかも」


「名前も勝手につけてすまん、本当の名前、教えてくれないか」

「実はもう忘れたの。ナカミでいいよ! ……正直言うと、あなたの強引なとこ、嫌いじゃない」


 そう言って微笑んだナカミは可愛かった。

 なお、しばらくして普通の名前はちゃんと二人で考えた。




 ――そしてオレ達は海外のとある山にある牧場兼農家に流れ着く。




***




「いやぁ、こんなとこ、なかなか働きに来てくれる人いないので助かります。ぜひ住み込みで働いてください」



 そこは、若い夫婦が二人で経営していた。

 人手不足なうえに、奥さんが妊娠中で困っていたらしい。


「いえ、こちらこそ。こういうところで働きたかったので。よろしくお願いします、エルナンさん」



 良い働き口が見つかった。

 奥さんのマティさんは聖属性で怪我などしたら治療してくれるというし、健康面も安心して働けそうだ。


 エルナンさんは、良い人そうだし、マティさんは、ナカミと女同士、気が合いそうだ。


 エルナンさんの好意で、オレとナカミは街の教会で小さな結婚式を挙げ正式に夫婦になった。



 良い上司に恵まれて。家畜に囲まれ、田畑を耕し汗をする。


 傍にはともに働く可愛い嫁さん。

 意外と料理は得意なようで、昼にはうまい飯を作って持ってきてくれる。


 水筒の水を飲んでホッと一息。


 俺の人生がのんびりと消費される。



 ああ――幸せだ。




              おわり。


短いショートショートですが、お読みいただきありがとうございました。


※うちの家族に読ませたところ気が付かなかったので書いておきますが、勇者がたどり着いたのは偽勇者の農園兼牧場です。

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