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ぼっち勇者は口には出さないがスローライフを目指してる 03

「……あ? ひょっとしてお前が魔王か?」


「そ、そうだが! 頼む! 命は獲らないでくれ!!」


「お前を殺さないと、仕事が終わらん!! 散々、進軍しておいて何言っ……」



 そこでオレの心にふと引っかかるものがあった。


 この顔、割と好みだ。



「風よ」



 オレは適当な魔法でクマ(多分)の皮の部分をすべて切り裂いた。



「ぎゃーーーーーーーーーーーー!?」



 クマ部分をすべて取り除くと、白いインナーだけで恥ずかしそうにたっている、銀髪長髪赤目の少女が立っていた。


 可愛い。


 しかし、こいつは魔王だ。油断はしない。



「なんだおまえは」


「……魔王のキグルミに封印されてそのせいで、1000年前に魔王になってしまった可哀想な美少女で……わー!?」


 オレは剣を構えた。


「自分で自分を美少女というヤツは斬る主義だ。それに1000年前? ばーさんじゃねえか」


 実際、美少女ではあるが、オレは自分で美少女っていうやつを許さない。


「すいません! もう言いません! ばーさん言わないで!? キグルミの中に入ってからは何故か年取ってないから!! 心も身体も若いままですからぁ!」



「そんなことはどうでもいい。とりあえず、魔王はもういなくなったんだな」

「あ、はい。そうなりますね」


 オレは剣を収めたあと、目の前の銀髪少女を拘束した。


「何をなさるんです!?」


「行くぞ、ナカミ」


「いや、話し聞いて!? てかナカミってなに!? ひょっとして私の名前ですか!?」


 オレは、ロープでぐるぐる巻きにして猿ぐつわしたナカミを近くの宿屋に放り込むと王都へ行き、魔王を倒したことを報告した。


 オレの仕事は魔王を倒すことであって、魔王軍の残党がいようがいまいが知ったコッチャない。

 がんばれ王様。


 そしてオレは拘束しておいたナカミを連れて旅立った。



 ピーピー泣きながらナカミはわめく。

「私どうなるの!? 私の事情聞いて!? せめて名前聞いて!?」

 よく泣くヤツだな。


 オレは自分の用件だけを伝える。


「金はあるし、どこか田舎で適当な仕事を見つけて暮らす」

「何故、私を連れて行くので!?」


「嫁」

「えっ」


「お前は嫁にする。そしてオレは引退生活する」


「えぇ……」


「いやなら、王宮に突き出す」

「……よ、嫁になります」



 オレは嫁を手に入れた。




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