あんたの屍をこえてゆく
先人への畏敬。
充分に報いることはできなくとも。
おれの屍をこえてゆけと
あんたはひとことだけ告げて
ぐんぐん まえへとすすんでく
矢尻と銃弾をくいこませた腹を見せることなく
ひろくて たのもしい背中だけを ぼくらにむけて
あれきり 笑顔も 苦しい顔すら こちらへやらずに
あんたは ぐんぐん まえへとすすんでく
ぼくらだって わかってるんだ
あんたがあれからなにも告げずに
背中だけをぼくらにむけて
ぐんぐん まえへとすすんでくのは
いつかたおれる あんたの屍を
ぼくらがこえてゆくためには
あんたが ぐんぐん まえへとすすんだそのぶん
ぼくらも ぐんぐん まえへと
すすまなきゃならないんだって
そのあげく
いつかたおれたあんたを のりこえて
さらに ぐんぐん まえへと
すすまなきゃならないんだって
だから あんたは なにも告げずに 背中だけをむけて
矢尻と銃弾をくいこませた腹を見せることなく
そして まだたおれずに
ぐんぐん まえへとすすみながら
ぐいぐい まえへとぼくらをひっぱってる
あぁ なんてやさしくて きびしいんだ
これがあんたの 生きざまで 散りざまだって
わかってるからぼくらも
つぎのことばをまつ必要もない
ぐんぐん まえへとすすんでくあんたに
ぐいぐい まえへとひっぱられて
いつか たおれたあんたの屍をこえてゆく
ただ それだけが
さいごまで やさしくて きびしかったあんたに
ぼくらがしてやれる
たったひとつのことだから
ただ それだけが
ひさびさに、こういうの描いた気がします。






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