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素晴らしい終焉を  作者: ただの小説書き ルノベラー
1/1

プロローグ

グロに注意して下さい!

その日は、月が綺麗な日だった。

 湖も、木々も、飛ぶ蝶達も、光の中を泳いでいる。

 蛍が飛び交う暗闇の中、白い髪が美しくたなびいている。

私はその髪の主を見る。

 美しい白髪。

 透き通る様な碧眼。

私はその少女を知っている。

 巫女の様な格好をした彼女は、胸元の内ポケットからするりと細長い物を取り出す。

 月の光に照らされた’それ’は包丁だった。

 あぁ、と思う。

私はそれも知っている。少し刃こぼれした包丁。でも先端に、血がついていた。

 先に行ってしまったのか。

直感で感じた。

 彼女はもういない。

哀しみと同時にほっとした。

 彼女は解放されたのだ、”呪い”から。

これで最後の気がかりも消えた。

 もう死んでも未練はない。

少女が私の目線に気づいて包丁を持ち上げて話し始める。


「うん、もうわかってると思うけど、彼女は死んだよ」


「……やっぱり、そうなのね。貴方がやったの?」


少女は一瞬驚いた後、首を縦にふる。


「私が殺したよ」


そうか、と思う。正直、この少女以外に殺されてしまったらどうしようと思っていたのだ。


「私のことも貴方が殺してくれるのね?」

            .

「……、いいえ。貴方は私達が殺す。死んだ子の気持ちと共に!」

 

ふと、気づく。

 この、口調は、目は。

 本来の少女のものではない。

 

 「じゃあ私も、覚悟を決めないとね」


 「……」


 「最期の、ゲームをしましょう。」

 

 少女もくすりと笑ってうなずいた。

もしあの時。呪いに巻き込まれなければ。

私たちは幸せに笑い合えただろう。


 「そうね……、鬼ごっこをしましょう」


 「子供に戻ったみたいだけれど、最初みたいでいいわね」

 

 また少女の口調が変わる。


「5分切り替えで、最初は貴方が鬼でいいかしら?」

 

少女が若干たじろいだ。


「貴方は殺されたいの?死んでしまうかもしれないのに」


「いいの。これも運命。呪いが紡ぐ、悲しいが美しい物語。終焉なのよ。この物語はこれで終わる」


 あははははっ、と少女が唐突に笑いだした。


 「本当に最期まで貴方らしいのね。安心したわ」

 

そして彼女は包丁を月に向ける。


「これで快く貴方を殺せる……」

 

向かい合う2人の少女。

 この物語は、2人の少女から始まり、終わる、哀しくて美しい’呪い’の話。

 

さぁ、始めよう。終焉を。





 -----素晴らしい終焉を。

初めて投稿です、温かい目で見て下さい、、、

いいね、とか下さると泣きます。泣きます。

誤字脱字ご報告下さい。

よろしくお願いします!


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