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悪役令嬢が行方不明!?  作者: mimiaizu
本編

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148/148

148.終わり?

王都の教会で学園を卒業したばかりの青年が婚約者と結婚式を行う。教会の中では二人の男女が真っ白な格好で立っている。エンジが白い装束に、ミルナが白いドレスを着ているのだ。今日は多くの者が待ちに待ったエンジとミルナの結婚式だ。


「遂にお前の親友が結婚するんだな」


「おう。この日を一年前から待ってたぜ」


「エンジさんは完璧と言っていいくらい優秀な人だからね。幸せになれてよかったよ」


二人の結婚式を祝うために王族まで参列していた。エンジの親友であり主でもあるレフトンとその兄弟にあたるカーズとナシュカ、更に国王ジンノと王妃エリザベスが笑顔で見守っていた。


「貴方、エンジとミルナちゃんが……!」


「ああ、一度は諦めた二人がやっと結ばれる。この時をどれほど望んだことか……!」


「エンジ……」


エンジの両親をはじめとした親族、アクセイル一家も全員来ていた。エンジの学園の友人たちも大勢集まっている。もちろん、共にレフトンに側近として仕えてきたライトもレフトンの隣で同席している。


「ミルナ先輩が結婚、こんな日がこれてよかったです」


「そうね。あの次女に辞めさせられた後のことは知らなかったけど、こんな日が来るなんて」


中には、ミルナと同じ侍女であり嫌でもソノーザ家に仕えた経験のある女性やワカナに無理矢理辞めさせられた使用人たちもミルナの結婚を祝うために集まっていた。彼らはレフトンの計らいで『理不尽な仕打ちを受けた者』だけを次の仕事に就けるよう援助を受けていた。だからこそ、ミルナの結婚式を祝いにこれたのだ。


「サ……アリナさん、泣かないでください。まだ、結婚式は始まっていませんよ」


「…………!」


後方でマリナ・メイ・ミークと昨日ミルナと話をしていたアリナもいた。アリナは結婚式が始まる前から泣き出してしまい、そんな彼女にマリナは困った顔で慰めていた。





「……遂にこの時が来ましたね」


「ああ」


エンジとミルナは互いに頬を赤く染めて見つめ合う。そんな仲睦まじい二人を見て、協会の神父が優しく微笑みかける。


「新郎、エンジ。汝はこの女性と結婚して夫婦になろうとしています。貴方は、健康な時も病気の時も、喜ぶ時も悲しむ時も、彼女を愛し、彼女を敬い、彼女を慰め、彼女を助け、その命の続く限り真心を尽くすことを誓いますか?」


「はい。誓います」


「新婦、ミルナ。汝はこの男性と結婚して夫婦になろうとしています。貴女は、健康な時も病気の時も、喜ぶ時も悲しむ時も、彼を愛し、彼を敬い、彼を慰め、彼を助け、その命の続く限り真心を尽くすことを誓いますか?」


「はい! 誓います」


二人の誓いを聞いた新婦が微笑んで言葉を続ける。


「それでは、誓いのキスを」


エンジとミルナはゆっくりと向き合う。エンジはミルナの顔を覆う薄いベールを持ち上げ、彼女の細い体を抱き寄せてキスを交わした。唇と唇が重なる。たったそれだけの行為が見るだけで大きな感情が込められていると雰囲気で分かる。


「エンジ君……私……」


「ミルナ、泣く前に指輪の交換をしないと」


「うん……」


感激のあまり涙をこぼすミルナに、エンジは落ち着いて微笑んだ。新婦から差し出された指輪を二人は互いに相手の薬指にはめていく。


それを確認した神父が合図して聖歌の曲を変えた。王都由来のものではなく、ミルナの故郷のコキア領地とアクセイル領地の聖歌の音楽に切り替わったのだ。


「「(これは!?)」」


懐かしい曲を聞いてミルナは驚きを隠せなかった。それはエンジも同様だった。二人が昔馴染んだ曲が流されるとは思ってもいなかったからだ。そして、エンジはこんなサプライズをする男を一人知っていた。


「(レフトンの奴か!)」


エンジがレフトンを振り返ると、ライトと共に親指立てて満面の笑みを見せるレフトンの姿があった。エンジは親友たちの粋な計らいに大いに喜んだ。後ですぐにミルナも気付いた。


「エンジ君、これって……!」


「ああ、レフトンたちだ。粋なことをしてくれる……!」


「私聞いてない!」


「ああ、俺もだ!」


エンジとミルナは互いに顔を見合わせて笑った。音楽が終わるとレフトンやライトをはじめ多くの人々が祝いの声をあげた。


「おめでとうエンジー!」


「エンジしあわせになれよー!」


「エンジ最高! 幸せを楽しみな!」


「ミルナちゃーん! おめでとう!」


「ミルナ先輩! おめでとうございます!」


「ミルナさん。おめでとうございます!」


エンジたミルナにとってなじみなある人たちが二人のために祝ってくれている。一番後ろの方ではマリナとアリナもいた。二人して満面の笑みを浮かべながらに涙を流している。それに気づいたミルナもうれし泣きして手を振る。


「エンジ君、私幸せです。もう胸がいっぱい……」


「俺もだ。君のおかげだ」


エンジとミルナは再び熱いキスを交わした。



公爵令嬢が行方不明になった事件から今日の結婚式に至るまで、様々なことが起こった。結局、肝心の公爵令嬢をウィンドウ王国は見つけられなかったが、これからのウィンドウ王国は間違いなく良くなっていくことになる。





この結婚式から三年後。コキア家は伯爵に昇格したり、ミーク家は公爵に昇格したり、王族の血を引いた若き騎士団長が誕生したり、そしてウィンドウ王国は新たな国王を迎え、更により良く発展していくのだった。もちろん、エンジとミルナは子宝にも恵まれて幸せになった。



終わり


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