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幕間1

 ――その日のクロガネ探偵事務所/夕食時の機巧探偵の会話――


「初日早々、そんなことがあったのか」

「そうなんですよ。本当にもう、どうしたらいいのか……」

「まぁ、これも経験だろう。結果はどう転ぶかは解らんが、一生懸命やってみな」

「そのつもりです。差し当たって、まずは人材探しですね」

「外部の人間を役者にするってのは、随分と大胆だな。だけど、学園祭の理念と目的を逆手に取るとは、美優もやるなー」

「クロガネさんのやり方を、ずっと近くで見てましたからね」

「……それは、果たして良いのか悪いのか」

「私は良いと思いますよ。効率的に目的を果たせる上に、困っている人の助けに繋がるのですから」

「そういう考え方を持ってくれて嬉しいよ」

「とにかく、早い内に【竹取の翁】と【最強の剣士】役を見繕わなければなりません」

「ああ、目玉のアクションをする役か。小説のコピーを読んだけど、これほど激しいアクションが出来て、しかもタダ同然でやってくれる奴なんざ、そういないだろ」

「……そうなんですよね。しかも扱う得物は刀ですから、剣術の心得がないと演技に説得力が出ない上に危険です。下手したら、怪我人も出てしまいかねません」

「安全面も考えないといけないとなると、やはり素人じゃ厳しいな。金さえあれば、舞台に出ている本職の人を雇えるんだが」

「そんなお金はありませんし、お金で解決しようものなら『地域と一般客の交流』という建前に説得力がありません」

「身内に武術やアクションの心得がある奴がいれば、話が早いんだがな。それなら金も遠慮もなしに、気楽に誘えるだろうし」

「…………」

「……美優?」

「……それです」

「えっ」

「クロガネさん、私と一緒に演劇やりませんか?」

「…………ゑっ?」

 主人公とヒロインが二人きりの状況だったので、試験的に台詞だけで物語を進めてみました。

 アクションなど目立った動きもなく、他のキャラクターが居ない二人だけの空間という限定的なものに限られますが、結構良い感じに収まったみたいですね。良い経験になりました。


 そして部外者であるクロガネが、こういう形で学園祭に巻き込まれるとか、予測可能な展開でしたね。『一般客の飛び入り参加』とか割と都合の良い伏線を張ってましたし。我ながら少し安直だったかな、と反省です。物語の導入と展開は本当に難しいです。

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