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オタクで変人なPC部員は、異世界で冒険者になったら器用○○でした!?  作者: 古河楓
第3章 PC部員たち、社会の上下関係に巻き込まれる
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第39話 魔獣契約をしたい! 1

「で、結局そいつの従属魔獣になったから、もう危険はないんですよ」

「は……はぁ」


 結局、ジャイアントゴーレムの魔改造を携行式のミサイルランチャーを持たせることでステフを納得させ、シュベルツィアに戻ってきたので報告ついでに、屋敷に顔を出したところまたもやご令嬢の所に放り込まれた。それでジャイアントゴーレムのことを聞かれたので、討伐までの一部始終を話したわけだ、

 思ってもみなかった結末に、セシリア様も言葉が出ない。うん、わかる。俺もなにがどうなってそうなったかわかんない。逆に聞きたいくらいだ。

 前回来たとき、俺が暗殺者を退治して、天井を壊してしまったのだが、それはすでに直されており、豪華なシャンデリアが部屋を照らしている。

 貴族って、すごいねぇ。


「そういえばですけど、最近王国の各地で、反王国の動きが高まっているっていうんですよ。オオカワさんは、お心当たりとかありますか?」

「いや、少なくともシュベルツィアとアルゴール村ではそんな動きはないな。そういや、またお隣が攻め込んできたんだってな~」


 つい2週間ほど前、王国南部にある平原にてお隣……グランツ帝国とリースキット王国の衝突があったらしい。

 商人の動きが活発なリースキットだが、実際に国同士で貿易関係、国交を結んでいいるのは3国のみ。北方にある帝国と、西側にある小さな王国、そして、グランツ帝国のさらに南にある、この世界では珍しい共和国だ。

 そして、お隣……グランツ帝国は、独自の宗教を持っており、公王=宗教のトップでもある独裁政治がゆがめないお国であり、現公王、ラーディッシュ4世は「俺が世界のトップだ、現人神だ! 従わぬものは踏みつぶしてくれるわ、ガハハハハハ!」とか言っている輩である。

 そして、その宗教に従わぬ国などに何度も何度も戦を仕掛けているそうだ。

 なんともまあ迷惑な奴だ。


「ええ、まあ。なんとか勝ったそうですけど……」

「それに、この国は基本的に亜人が多いし。この国の人間族はそういう差別はしないけど、グランツは人間絶対主義だからね」

 

 つまり、自分に従わない者と、亜人をやっつけようというわけである。個人的には、亜人と人間はあんま変わらない気がするんだけど。ま人系統の人の獣耳とか見ると、衝動的にモフりたくなるのだが何とか抑えている。


「私も、人間族ですけど、一度でも亜人を敵となんて思ったことありません。本当に、何が悪いのでしょうか?」


 本当にね~。地球には亜人はいなかったから、新鮮だし……萌えでもある。それを排斥するとはわかってないな。


「まあ、とりあえずまた来ますよ。それについてはこっちからも探りを入れてみましょう」

「え!? 大丈夫なんですか!?」

「大丈夫ですよ、多分」


 そうしめくくり、俺は屋敷を後にした。


  〇 〇 〇


「にしても、モンスターをテイム……いや、魔獣契約ができるとは。これは、俺も何かとしておいた方がいいな。幸い、職はほぼ全部Cだし、魔獣契約の1つや2つできるだろ」


 俺は、町の中の喫茶店でコーヒーをすすりながら、そんなことを考えていた。目の前では、美味そうにパフェを食べる新田の姿、なんか「食べたい」と言っていたので、連れてきてやったのだ。

 俺? 俺はこの喫茶店のクッキーに興味があった。この前、シルクからもらったやつがうまかったので、どこで売ってるかと聞いたら、ここだというので食べに来たのだ。


俺はまたクッキーをひとかじりして、紅茶を飲む。


「俺が作ったやつより紅茶に合う……」


 自分でも料理はうまい方だと認めてるし、自信もあった。それが、こんな簡単に崩れ去るとは…思いもしなかった。


「で、先輩~、魔獣契約しに行くんですか? あー、おいしい~」


 わかってるよ、そのパフェは俺が作るよりも美味いんだろ? もういいさ……しょせん本職には勝てんよ。


「そうだな~、手ごろな奴がいればいいけど。するとしたら、やっぱ鳥系統かな? 索敵とかに役立つし。流石にシルクのケプラーみたいのはごめんだけど」


 出来れば、従順で、夜間戦闘も得意な奴がいい。まあ、そんな都合がいいのがいるわけが……。


 ……………。


「いますよ?」

「「は?」」

「だから、いるんですって。鳥型魔獣で、飛べて、索敵とか得意で、かつ夜間戦闘が得意な魔獣が」


 いるのかよ!? まさに異世界さまさまだな! ん? でも、そんな万能な奴なら当然強いよな? まさか、グリフォンとか言わないよな?


「いえ、“シルバーエル―”というフクロウみたいな魔物です」

「いや、もうそれフクロウじゃん」


 エルー……おそらくスペルは“Eule”。ドイツ語でフクロウだ。つまり、白いフクロウということか。

 なるほど、フクロウは夜行性だから夜目も効くし、戦闘能力も高いはずだ。あとは、生息場所だな。


「ちなみに、どこにいるんだ?」

「え? エルフの大森林に普通にいますよ? よく夜中に飛んでいますし、小動物とか虫型の魔物とかを襲って食べてるはずですが」


 マジか。(実質)2年以上エルフの大森林に住んでるけど、いるなんて知らなかった。せいぜいモフるにはもってこいのウルフとかがいるもんだと。


「ま、まあウルフの毛皮は貴族たちが好んで使いますからね。でも、ウルフは契約し辛いことで有名なんです。初心者向けの魔物とはいえ、プライドが高いし、すばしっこいしで」


 いや、普通初心者向けならしやすいのでは? まあ、そこら辺は隙を見て試してみればいいや。


「ちなみに、どうやって契約するの?」

「ああ、はいはい。魔導士か、専門職の従魔獣士なら、魔力を魔獣契約したい魔物に流して、あとは魔物次第です」


 なるほど。つまり、俺は魔導士の職業適性は持ってないけど、従魔獣士の適正はCだから、できるということか。

 つまりシルバーエル―をいちど撃ち落とさないといけないな。


 じゃあ、とりあえず行ってみますか。


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