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オタクで変人なPC部員は、異世界で冒険者になったら器用○○でした!?  作者: 古河楓
第3章 PC部員たち、社会の上下関係に巻き込まれる
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第38話 ステフの魔改造計画案

「こ……これは!」


 ジャイアントゴーレムを討伐(?)し、村に戻ってきた俺と新田、ステフとバーニー。

 それの帰還を見た村人たちの1人が発した言葉にして、村人全員の総意だった。


 何に驚いているかって?

 ……それはおそらく、俺たちの後ろにくっついてきているボロボロになったジャイアントゴーレムがいるからだろう。


「じゃ、ゴーレム君、挨拶して」

『ギ、ギィ……』


 ステフがゴーレムの足に手を置くと、ゴーレムは丁寧に片膝をつき、臣下の礼をする。その模範的な立ち居振る舞いや、敵対心のないゴーレムを見て、村人全員がボケーっとしている。


「ど、どうなってんんだぁ、こりゃあ」


 いや、まあ。あの一部始終を見ていた俺でさえ、どう説明したらいいのやら。

 まず、あの後俺が、とどめを刺そうとバズーカを構えたところで、ステフがそれを庇い……。

 それから、ゴーレムがステフに懐いて(!?)、なんか使い魔というかテイムのような儀式をして……現在に至るわけだがぁ……なぜそうなったんだ。


 ……うむ、わからん。理解不能だった。


「で、もうそのゴーレムは危害を加えないんですか!?」

「うん、魔獣契約したから私の従属魔獣ってことになるのかな~。それに、少しでも人間に危害を加えるようなことをしたら、体がボロボロになるっていう条件をかけといたしね~」


 つまり、脅迫? そんな感じがするのは俺だけでしょうか。少しでも主の行動を聞かなかったら体が爆発するとか。怖すぎだろ。

 そりゃゴーレムも素直に従うし、命の恩人(俺がとどめを刺そうとしたのを庇ったから)という認識もあるのだろう。


「そういえば、ほかの方々はどうしたのですか? まさか……」

「いや、一度吹っ飛ばされ(ステフに)、それから岩に擬態していたこいつを探すために2手に分かれて捜索してたんだが」

「多分、迷ってるんでしょうね」


 うむ。それしかあるまい。俺が知らないだけで、あの3人の中に方向音痴がいるのかもな。

 ま、魔力は回復してないから、今から探しに行くのは無理だ。


「まあ、子供じゃないからすぐに戻ってきますって。心配無用ですよ~」


 いや、まあ確かに子供じゃな……いや、サリーはまだ子供だろうよ。11歳じゃん。シルクがいるから、何かあれば助けてくれるだろうし。

 ……あれ? でもなんかすっごい心配になってきたぞ。これ、本当に大丈夫かな。魔力回復次第、すぐに捜索に行こう。


「まあまあ。その気持ちはわかりますけど」

「とりあえず、ししょーにはこの子の装甲直してもらって、バズーカとか、ミサイルポット装着してもらわないと」

『ギ!?』


 ステフのさりげない改造計画実行に、ジャイアントゴーレム君はものすごく驚いている。うん、わかるわかる。自分の体にこれからミサイルランチャーとかつけられるんだからな。

 もしかしたらロケットパンチとかつけそうだなこいつ。大丈夫なのか?


「大丈夫だって。口からメガ粒子砲とかやらないから。手からメガ粒子砲もやらないよ」


 いやそれどこのジ〇ン系統のモビ〇スー〇だよ。足取り外すなよ? そんでコックピットを頭と腹部にとりつけるなよ? 手を有線式にするなよ?


 その後、おびえるゴーレム君に同情しながら、どうやってステフを押さえつけるかを考えていた。


  〇 〇 〇


「た、ただいま戻りました~」

「け、結局、ジャイアントゴーレムは倒せたんですか……?」

「こっちは……ボロボロ……」


 俺たちが呑気に夜飯を食べていた時、なんと赤坂、サリー、シルクからなる別動隊が帰ってきた。  全員がところどころに枝をさしていたり、葉っぱをつけていたり、泥だらけであった。

 なんなんだ、そのジャングルの奥から命からがら帰還した探検隊みたいなのは。


「で、誰のせいで迷ってたんだ……?」

「さ、さあ誰でしょうね……? 誰でしょうね……??」


 あ、既に挙動不審な奴発見。シルクか。何故精霊魔法使いが道に迷う。頭いいはずだけどね。

 この世の七不思議だ。


「と、とにかくぅ! そ、そそそ、そのジャイアントゴーレムはどうなったんですかああああ!?」


 うわぁ、すっげぇ動揺してる。そこまで恥ずかしい事か?


「ああ、うん。なんかボコボコにしたら、ステフと魔獣契約してたよ」


「「「は???」」」


 はい、村人さんたちと同じ反応ありがとうございます。試しにサリーの目の前で手をひらひらさせてみる。うん、反応がないや。


「だから、ししょーの魔力が回復したら、段階的にミスリルに素材を戻して、で、武器組み込むんだ~」

「「「は??」」」


 どんどん進んでいくステフのゴーレム魔改造計画。既に胸に連装速射砲、肩にミサイルポットなど、やはりガ〇ダム作品を意識した武器ラインナップが多数ある。

 そんなふうに改造されるゴーレム君可哀そう。でもごめんね。ステフを止めるのって、至難の業なんだ。


「で、ゴーレムはどこなの?」


 赤坂君、よくぞ聞いてくれました! 今、ゴーレム君は街に入れることができなかったので、森の中で今も岩に擬態してもらってます!


「そうだ、いっそのこと鳥とか、飛行船に変形するように……!」

「いやそれもはやゴーレムですらないだろ!」


それだけは、それだけはやめろ! あのゴーレム君可哀そう! いや、既に改造計画持ち上がってるだけで可哀そうなんだけどね!


「いやいやししょー、これがロマンでしょ!」

「うん、まずゴーレムは生物だから。やめてやれ」


 ゴーレムを改造したいステフと(倫理観の観点から)そうはさせたくない俺との攻防は、続き……。


「いや、ここはガトリングにするべきだ!」

「違うよししょー! そこはこうして……」


 いつの間にか、どの武装を載せた方がいいかの議論になつてしまい。


『ギギギ…!? (なんかすっげー嫌な予感するんですけど!?)』


 擬態していたゴーレム君は、寒気を覚えたという。



おまけ~議論の結果~


頭:バルカン

肩:3連ミサイルポット

腕:パイルバンカー

腰:拡散ビーム砲

廃部:ファンネル


……どこのガ〇ダムだ!(by深夜テンションの作者)

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