永遠の(完結作)ゼロ
――【悲報】のべらぶ作家・星鳴ソラ、またしてもエタる?【4ヶ月ぶり8回目】――
1 : 名も無き読み専 :10/20 09:57:09.029 ID:/ns1Sha68
またエタッた模様
5 : 名も無き読み専 :10/20 09:59:12.035 ID:/sh3Nnw87
マジかよ(呆れ)。何回目だよ?
6 : 名も無き読み専 :10/20 10:02:43.349 ID:xki8Dim96
>>5
スレタイ読め定期
11 : 名も無き読み専 :10/20 10:05:46.362 ID:EGhic3bm3
つか、マジでオレらの事をナメてんじゃね?次々新作を出して、全部中途半端なところで止めるじゃん。マジメに読んでたオレらがバカみたいじゃん。新手のドMプレイか何かかよ?
15 : 名も無き読み専 :10/20 10:10:52.151 ID:b4Q6dOUli
>>11
ほんそれ。
19 : 名も無き読み専 :10/20 10:32:38.201 ID:H4dxxy6qp
っつーかさ、「この続きは、読者の心の中にお任せします♪」っていう壮大なオチなんじゃねえの、コイツの小説全部w
22 : 名も無き読み専 :10/20 10:47:45.151 ID:b4Q6dOUli
>>19
その発想は無かったwww
25 : 名も無き読み専 :10/20 11:05:13.191 ID:y4G9dka5d
つか、もうホントに、いっその事タヒんでくんねーかな。『作者急逝の為連載中止』の方がナンボかスッキリするわ
26 : 名も無き読み専 :10/20 11:06:30.070 ID:PemtV+CV3jr
>>25
通報しますた
34 : 名も無き読み専 :10/20 11:49:25.310 ID:Poky32HtLn
>>25
でも、正直気持ちはわかるwww
39 : 名も無き読み専 :10/20 12:15:37.527 ID:cgr7Rxow
もう、今度からコイツの事を『永遠のゼロ』って呼ぼうぜwww
40 : 名も無き読み専 :10/20 12:32:05.632 ID:Juxuu2pza
>>39
座布団114514334枚w
……………………
そんな――22ちゃんねるのスレッドに踊る、心無い言葉の数々を目にした諏訪先輩は、顔色を紙のようにして俯いていた。
多分、昼休みに小田原からこのスレッドを見せられた時の俺も、彼女と同じ表情をしていたのだろう。
……先輩は、今何を考えているのか――。
……彼女の内心を思い、俺の胸はチクチクと傷んだが、ここは心を鬼にし、口を開く。
「俺は……このスレを読んで、心底腹が立ちました。星鳴ソラの作品が、エタッているだ何だって事でムカついていたのが馬鹿らしくなる程にね……」
「……」
「だって、そうでしょう? ……確かに、好きで読み進めていた作品が、何の前触れもなく更新されなくなって、その先の展開が判らなくなったら、誰だって苛立つし、悲しく思うに決まってます。でも――」
俺は、言葉を切ると、肚の中に溜まった憤怒の内圧を下げる為に、大きく息を吐いた。
「でも――だからといって、こんなところに、作家をあげつらうようなふざけたスレなんかを立てて、心ない言葉で、作家を馬鹿にするような酷い事を書いたりして。挙げ句に、『死ね』とまで書き込むなんて……ふざけてる、マジで!」
「……しょうがないわよ。私が――星鳴ソラが、読者の期待を裏切ってるって事は間違いないんだから……。ここに書き込んでいる人の気持ちも解るわ――」
そう言って、諏訪先輩は寂しげに微笑んだ。
が、その言葉に、俺は眦を上げて突っかかる。
「いやいや! そこは『解る』で終わったら駄目でしょ!」
「でも……」
「見返してやりましょうよ! ココに書き込んでいる奴ら全員を!」
「え……?」
俺の言葉に、諏訪先輩は当惑の表情を浮かべ、顔を上げた。
彼女は首を傾げて、眼鏡の奥から、訝しげな視線を俺に送る。
「見返すって……。ど、どうやって――?」
「そりゃ、簡単な事ですよ!」
俺は、諏訪先輩の問いかけに、胸を張って答える。
「完結してやりゃあいいんですよ! コイツらのお望み通りにね!」
「か……完結って――どれを?」
「もちろん、全部!」
キッパリと言い切った俺を前に、諏訪先輩は、ムッとした表情を浮かべた。
「ぜ――全部って……」
「あ、もちろん、一気に全部同時に完結させろなんて事は、言ってないですよ。ひとつずつ順番に進めていけばいいです」
「……そういう事じゃなくて。高坂くん、まだ貴方には分からないのかもしれないけどね……」
あっけらかんと言い放つ俺を、呆れ半分といった目で見つめつつ、諏訪先輩は沈んだ声で言った。
「……物語を完結させる事って、大変な事なのよ」
「――でも、そう言う諏訪先輩だって、一度も完結させた事って無いじゃないですか?」
「うッ……」
俺の容赦の無い一言に、諏訪先輩が言葉を詰まらせる。
「……」
先輩は涙目で、俺の事を下から睨みつける。彼女の長い前髪の間から覗く、恨めしさに満ちた光を放つ目に、俺は凄まじい圧を感じ、思わずたじろぐ。
「ま、まあ……小説を完結まで書き切るっていうのが、どれだけ大変かっていうのは、俺も想像付きますよ」
「どうだか……」
「分かりますって」
そこで俺はフッと表情を和らげてみせる。
「……実は俺も、サイトに投稿まではしていませんが、家のパソコンで書いた長編が、何作品かあるんです」
「……へえ」
「もちろん、どれもこれも、物語の途中で止まってしまってます。星鳴ソラの作品たちと同じように……」
俺は、苦笑いを浮かべながら、先を続ける。
「駄目なんですよね。どうも、物語の風呂敷を広げすぎちゃうみたいで……途中で収拾が付かなくなって、段々と書き進めるのが億劫になってきて、いつしかハードディスクの肥やしと化す感じで……」
「……私も同じ」
俺の言葉に、諏訪先輩も僅かな苦笑を浮かべた。
「私も、作品のストーリーを考えていく内に、どんどん煮詰まってきてしまって……。その内、話を考える事自体が苦しくなって、終いには、頭の中で活き活きと動き回っていたはずのキャラたちが、うんともすんとも言わなくなってしまうの……」
「……それで、エタると」
「いえ、エタらせてるつもりは無いのだけれど……」
諏訪先輩はそう言うと、困ったような表情を浮かべて首を傾げる。
「続きを書くつもりはあるのよ。――でも、気分転換に書いた作品の筆が乗っちゃって、そっちに頭が切り替わっちゃったり……でも、その作品の方も詰まって、また気分転換に書いた作品の方が面白くなっちゃったりして……」
「で……それが積もり積もって、8作品――と」
「……うん」
俺の一言に、頬を染めつつ頷く諏訪先輩。
成程ねえ……。
何となく、彼女――星鳴ソラが、作品を完結させる事が出来ない理由が判った気がする。
ならば――そこで俺は、頭に浮かんだひとつの案を、彼女に提示してみる事にした。
「じゃあ、こうしましょう」
「……?」
俺の声に、諏訪先輩は怪訝な表情を浮かべながらも、耳を傾ける。
そんな彼女に向かってニヤリと薄笑み、俺は声高らかに言った。
「――現状エタッている8作品、そのストーリー作りを、俺も手伝います。……いや、手伝わせて下さい!」




