二時間目
かっぱらいのおじいさん、普通に現行犯で警察が逮捕ってことはありえなかったんだろうか? 商店街で起こったかっぱらいなんだから。何気に交番の一つや二つありそうじゃん。
警察がパン一つかっぱらったじいさん半殺しにしたら、絶対問題になるだろ。マスコミが−−新聞も週刊誌も−−黙っちゃいないと思う。最近は厳しいよ。コンプライアンスとか。
ぼくは正義の味方もおじいさんも両方悪いと思います。
私はスーパーヒーローは極悪人だと思います。
見るからに貧弱そうなじいさんに『ジ○ジョの奇妙な冒険』のス○ー・プラチナばりのオラオララッシュかましたらマズイだろ。
暴力の内容まではプリントには描写されてはいないから、オラオララッシュかどうかは知らないけど、多分、そんな感じではなかったと思う。パンチばかりではなかったのでは? 吹っ飛ばされ、地面に転がったじいさんの顔面やわき腹にキックもかましたのでは? ところかまわず。情け容赦なく。となると、ザ・ワー○ドやゴールド・エ○スペンリエンスみたいな無駄無駄ラッシュとも違うカタチの暴力を振るったのでもないのでは?
私の知っている範囲では、ゴールド・エ○スぺリエンスはホ○イト・アルバムに蹴りばかりの無駄無駄ラッシュかましてますよ。
おじいさんはドMの変態だったのかもしれないな。手加減というものを知らない、空気の読めない、でしゃばりでおせっかいな、ドSの正義のスーパーヒーローがタイミング良く登場してフルボッコにすることを見越して。むちゃくちゃ期待していたりして。だとしたら、さぞかし満足して半殺しにされたことだろうよ。
まあ、それで刑務所入りなら三食は保障されるのか。晴れて食い物にありつけるじゃん。確か、O・ヘンリーの短編にそんな話があったな。あの話じゃ、監獄にぶち込まれるために無銭飲食とかするのにちっともうまくいかなくて、皮肉なことにまっとうに生きることを決心した直後にパクられちまうんだけど。
O・ヘンリーといえば、パン屋のおばさん(だったかな?)の話もあったな。いつも決まって安いパンの切れ端(だったかな?)を買っていく青年(だったかな?)に同情して、バター(だったかな)を塗ったものを渡したら、そいつにキレられたっていう。
どうして、そうなるのさ?
青年は油絵(だったかな?)を書いていて、食べるためではなく、下書きの輪郭を消すために(だったかな?)パンの切れ端を使っていたのさ。それにバターが塗られていたら台無しだろ。それじゃ。そんなもんで労作の表面を拭ったりしたら。だから、プッツンとブチぎれた。
ふーん。